三菱電機と東京大学の社会連携講座
2023年9月1日、三菱電機株式会社と国立大学法人東京大学大学院工学系研究科は新たな社会連携講座「意味的価値や社会的価値を生み出すデザインエンジニアリング」を設立しました。この講座は、製品やサービスの新たな価値を見出す手法を体系化し、次世代のイノベーションを創出することを目指しています。
価値創出の背景
日本の製造業は、長い間、高機能で高性能な商品を提供することで成長を遂げてきました。しかし、最近の生産年齢人口の減少や、新興国の競争によりその優位性が脅かされています。そのため、社会が求める新たな価値に対応する能力が求められており、この講座では、そのための方法論を構築していくことが非常に重要です。
講座の目的と内容
本講座では、製品やサービスの新たな「意味」を創出するための「意味のイノベーション」に焦点を合わせます。東京大学が持つ感性設計学の知見をベースに、ベイズ推論などの理論を応用し、理論と方法論の確立を目指します。また、三菱電機の事業領域を活用し、実践的な研究を通じて社会的に意義のある価値を創造することを狙っています。
特に、限られた資源を有効活用し、価値を最大化するためのデザインエンジニアリング手法の探求が進められます。これにより、次世代の人材を育成し、持続可能な未来社会の実現に寄与することを目指しています。
講座の詳細
この社会連携講座は、東京都文京区にある東京大学大学院工学系研究科で開設され、2025年9月1日から2029年3月31日までの期間にわたり実施されます。
研究体制
講座の運営は、東京大学大学院工学系研究科の柳澤秀吉教授が担当し、他の教授や研究者が計13名、また三菱電機からも20名以上の研究者や技術者が参加予定です。これにより、学術と企業が協力し、実践的な研究を展開していくことが期待されています。
将来的な展望
今後、変化する社会に応じて、意味的価値や社会的価値を生み出す手法の探究を進めていきます。得られた成果は、学会やオープンフォーラムで発表されるほか、「三菱電機-東京大学 未来デザイン会議」の公式ウェブサイトを通じて一般にも公開される予定です。この取り組みは、将来的に豊かな社会の実現に貢献するでしょう。
このように、三菱電機と東京大学の連携は、未来のイノベーションを支える人材の育成や新たな価値の創造に大きく寄与することが期待されているのです。