自動車技術会が策定したSDVスキル標準とは
公益社団法人自動車技術会(JSAE)は、モビリティDX戦略の一環として、持続的な人材育成を目指して新たに「SDVスキル標準」を策定しました。この標準は、自動運転やモビリティサービスに関連するソフトウェア領域で必要となる技術やスキルを明確化し、グローバル競争力を強化することを目的としています。
SDVスキル標準の背景
近年、モビリティDX競争が激化する中で、ソフトウェア人材の不足が深刻化しています。JSAEは2022年に教育会議の下、専用のワーキンググループを設立し、自動車ソフトウェア領域の体系化や人材のトレーニングプログラムの開発に取り組んできました。
SDVスキル標準の構成
SDVスキル標準は、主に二つの要素から構成されています。まず、一つ目は「技術マップ」です。このマップでは、技術やスキルを横軸には利用区分、縦軸には技術の種類ごとに整理し、マトリックス形式で表示しています。これにより、各スキルがどの横の領域に属するのかが明確になります。
二つ目は「キャリア定義」です。ここでは、求められるスキルに応じて、各様々な職種のキャリアを細分化し、管理者や専門技術者、UX/SDV技術者など、31種のキャリアパスを再定義しました。これにより、キャリアアップの具体的な道筋が示され、技術者の育成に大きく寄与するものと期待されています。
JSAEの今後の展望
JSAEは、経済産業省と国土交通省が2024年5月に採択したモビリティDX戦略に基づき、関連のプラットフォーム構築を進めていく予定です。このプラットフォームでは、情報の共有や人材の獲得・育成を強化し、新たな取り組みを模索していくとのことです。
今後、SDVスキル標準に応じた育成プログラムを提供し、エンジニアレベルの認定を行うことで、人材育成と確保の取り組みをさらに進めていく方針です。JSAEの活動により、日本の自動車産業が新たな技術的課題に柔軟に対応できるようになることを期待しています。
まとめ
「SDVスキル標準」は、今後の自動車産業において重要な指標となるでしょう。それにより、技術者の育成や人材確保に対する具体的な指針が提供され、業界全体の競争力向上につながることが期待されています。さらなる詳細については、JSAEの公式ウェブサイトや関連リンクをご覧ください。
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