地域から考えるがん医療の未来と国際連携の重要性

2022年11月13日、富山県砺波市にて参加者が集まり、がん医療の未来をテーマにしたシンポジウム「LOCAL CANCER DAY 2022 TOYAMA-JAPAN-ASIA」が開催されました。このイベントは、地域の課題を探り、国際的ながん対策の視点を交えながら、持続可能な社会を目指すための重要な機会となりました。

セッション1: がん国際連携がもたらす未来とは

最初のセッションでは、がんの国際連携の意義について言及されました。河原ノリエ氏（ACF代表理事、東京大学特任准教授）は、2007年の南京での国際フォーラムを振り返りながら、地域社会でのがん対策の必要性を強調しました。国際連携が中でも特に重要であることを示し、持続可能な社会の実現に向かってコミュニティが一丸となることの意義を訴えました。

スペシャルゲストとして参加したUICC会長のジェフ・ダン氏は、先進国における都市と地方の医療格差について触れ、ディナ・ミルアド氏（元UICC会長・ヨルダン王女）からは、ACFの「BEAUTY PROJECT」の重要性が提案されました。これは、がん患者の美に対する自信を回復させるための新しいアプローチであり、美容業界との連携の可能性に期待が寄せられました。さらに、唐金海氏（南京医科大学副学長）は中国のがん対策の進展を紹介し、アジア全体で協力していく重要性を述べました。

セッション2: 地域社会とがん、地域のがんは誰が支えるのか？

次に、中釜⻫氏（国立がん研究センター理事長）が日本のがん対策の現状を共有しました。がん診療連携拠点病院の設置やゲノム医療の展望など、多岐にわたる情報が提供され、地域内の医療提供の均等化が求められました。特に富山県での企業の取り組みも発表され、地元企業ががん対策にどのように関与しているかが示されました。