新時代のセキュリティ
2014-07-02 21:20:08
キーレス・パスワードレス時代の生体認証セキュリティ解説特集
キーレス・パスワードレス時代の到来
私たちの生活は急速にデジタル化しており、その中でセキュリティの重要性はますます増してきています。特に、パスワードを使わない「キーレス」「パスワードレス」そして「ウォレットレス」といった新しい概念が広まりつつある今、私たちがどのように安全にデータを守るべきかを考えることが重要です。今回は、最新の情報セキュリティの視点からこの変化を解説します。
セキュリティ新時代への突入
従来、私たちのセキュリティは主に「所有」と「記憶」の二つの要素で管理されてきました。「所有」は鍵やICカードを指し、「記憶」はIDやパスワードによるものです。しかし、このシステムには多くの限界があることが明らかになっています。たとえば、鍵やカードを無くしてしまうリスクや、パスワードを忘れる可能性が常に付きまといます。
元MIT教授で「パスワードの父」とも称されるフェルナンド・J・コルバト氏は、「パスワードは悪夢だ」と痛烈に指摘しています。近年、様々な情報漏洩事件が発生している中、生体認証は新しいセキュリティ手段として期待されています。指紋や静脈を用いた生体認証は、個人特有の情報をもとにしたため、所有や記憶に依存せずとも高いセキュリティを実現可能です。
生体認証の必要性
生体認証技術は、近年のサイバー攻撃の増加を背景に、ますます重要視されています。例えば、日本の大手ネットサービスでも不正アクセスが相次ぎ、利用者のアカウントが危険にさらされています。特に「リスト型攻撃」として知られる手法では、流出した情報を利用して無作為に他のアカウントへアクセスが試みられています。これを防ぐためには、まず個々の利用者がパスワードの使い回しを避けることが最も有効な対策です
不正ログインの脅威
具体的なケースとして、最近のLINEやニコニコ動画などの人気サービスでも不正ログイン事例が増加しています。特に、303件のアカウントが乗っ取られ、そこから生じた金銭被害の報告もあります。これにより、個々の人間関係が脅かされる事態も発生しています。SNSにおいてパスワードを忘れた利用者は、アカウントに再ログインできなくなることで、つながりが途切れてしまう恐れがあります。
大手企業への影響
また、大手企業もリスト攻撃の標的となっており、数百万単位のログイン情報が流出している事例も報告されています。多くの調査によれば、「9割の人がパスワードを使い回す」という結果も出ており、このままの状況が続けば、不正ログインのリスクがさらに高まることでしょう。
三吉野の見解
私自身は、多要素認証の時代がさらに進むと考えています。単一の手段ではなく、カードやパスワード、生体認証を組み合わせることで、より高いセキュリティが確保されるからです。しかし、利便性とのバランスも重要であり、これをどう両立させるかが今後の課題となるでしょう。技術の進展に伴い、ユーザーの利便性を損なわない解決策が求められています。
結論
生体認証への移行は、セキュリティの新時代を迎える上で欠かせないステップです。しかし、それに伴い利用者自身も慎重かつ意識的な管理が求められます。自らのデジタルプライバシーを守るため、今日からでも意識を高めていくことが急務です。この対応を怠ると、未来の暮らしがより脅かされることになるでしょう。
会社情報
- 会社名
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株式会社ディー・ディー・エス
- 住所
- 愛知県名古屋市中区丸の内三丁目6番41号DDSビル7階
- 電話番号
-
052-955-6600