日韓の伝統が交差する特別企画公演
令和7年4月19日、東京の文京シビックホールにて、日韓国交正常化60周年を祝う特別公演が行われます。国立劇場が主催するこの公演では、ユネスコ無形文化遺産に登録された日本の「組踊」と韓国の「宗廟祭礼楽」という、両国にゆかりの深い宮中芸能が共演します。この貴重な機会を通じて、両国の文化がどのように結びついているかを目の当たりにし、多様性と美しさを楽しむことができるでしょう。
組踊:独自のリズムが魅力の総合芸術
組踊は、琉球王国に由来する独特な舞台芸能で、方案音楽、歌、リズム感豊かなせりふ、大胆かつ優雅な舞踊が組み合わさった総合芸術です。2010年にユネスコに登録され、特に「組踊を聴く」という表現があるほど、音楽が重要な役割を果たしています。
本公演では、「万歳敵討」(1756年初演)という作品が上演されます。この物語は、父親を討たれた少年が、自身と弟と共に復讐に挑む様子を描いています。謝名の子が弟の慶雲を説得して仇討ちに向かうシーンや、万歳の踊りを披露する場面は特に見どころです。
宗廟祭礼楽:500年以上の歴史を誇る祭祀芸能
韓国の宗廟祭礼楽は、李王朝の歴代国王の位牌が祀られる宗廟で行われる祭祀に伴う芸能です。2001年にユネスコに登録されたこの芸能は、15世紀半ばから伝承され、毎年5月に行われる重要な行事となっています。
公演では、保太平と定大業という2つの音楽に基づき、それぞれ文舞と武舞が披露されます。文舞では優雅でゆったりとした舞が繰り広げられ、武舞では力強く勇壮な動きが印象的です。各楽器の重厚な響きや多彩なリズムが一体となり、壮麗な舞台を作り上げます。
日韓文化交流の重要な瞬間
この特別企画公演は、文化の異なる両国が一堂に会し、豊かな伝統芸能を共有する貴重な機会です。約70名の韓国国立国楽院の実演家が来日し、宗廟祭礼楽を披露します。来場者には、両国の伝統が交錯する美しい舞台を楽しむことができる特別な体験が待っています。
公演情報
- - 開催日:令和7年4月19日(土)午後1時開演(午後3時30分終演予定)
- - 会場:文京シビックホール 大ホール
- - 入場料金:1等席9,000円(学生6,300円)/2等席8,000円(学生5,600円)
この公演の開催を通して、日韓の文化交流がより一層深まることを期待しております。皆様のご来場を心よりお待ち申し上げております。