大阪市が目指す『バックアップ拠点(重都)』 - 首都機能バックアップの取り組みとその重要性
大阪市が目指す『バックアップ拠点(重都)』:首都機能バックアップの取り組みとその重要性
近年、首都直下地震や富士山噴火などの大規模災害の発生リスクに加え、地政学的リスクの高まりなど、社会情勢は大きく変化しています。このような状況下で、幅広い観点からのリスク回避が重要視されるようになっています。
大阪市は、2024年5月27日に発表された「副首都ビジョン」において、大阪自らの安全・危機管理機能の強化に加え、経済力を背景に、経済面、行政・政治面でのバックアップ機能を強化し、非常時に日本を支える『バックアップ拠点(重都)』を目指しています。
首都機能バックアップとは?
首都機能バックアップとは、首都圏に壊滅的な被害をもたらす可能性のある大災害等が発生し、首都の中枢機関の業務継続が不可能となった場合に、日本全体の社会経済活動や国民生活への影響を最小限に抑えるための代替方策を確立することです。
大阪市の取り組み:経済分野と行政分野
大阪市は、首都機能バックアップに向けて、経済分野と行政分野の両面から取り組みを進めています。
経済分野
大阪市は、首都圏に本社機能を持つ企業に対して、本社機能のバックアップ拠点として、大阪・関西を第二の拠点とすることを推奨しています。
大阪・関西は、首都圏外でのバックアップ拠点として、多くの企業から選ばれています。その理由として、首都圏と比べて同時被災リスクが小さく、都市機能も充実している点が挙げられます。
大阪市は、企業のバックアップ拠点構築を促進するため、以下の取り組みを行っています。
大阪・関西の都市インフラや公共機能等の充実について情報発信
首都圏本社企業のバックアップ拠点に関するアンケート調査の実施
企業のBCP(事業継続計画)の実行力向上に資する取組
行政分野
大阪市は、行政分野においても、首都機能バックアップに向けて、以下の取り組みを行っています。
国への働きかけ:中央省庁等の業務継続のため、各種計画や法律において、大阪・関西を首都機能バックアップエリアに位置づけるよう要望
研究会・調査の実施:首都機能バックアップにかかる研究会を開催し、学識経験者から意見を聴取
大阪・関西における政府の情報通信ネットワークの確保に関する調査の実施
まとめ
大阪市は、経済分野と行政分野の両面から、首都機能バックアップに向けた取り組みを強化しています。大阪・関西が『バックアップ拠点(重都)』として、非常時に日本を支える存在となるために、更なる取り組みを進めていくことが期待されます。