トコシエと東京大学の共同研究がもたらすものづくりの未来
株式会社トコシエは、東京大学 工学部 精密工学科 大竹研究室との共同研究契約を結び、次世代の3Dプリンティング技術である「非平面スライス」に対応した独自スライサー技術の開発を開始しました。この取り組みは、製造業の設計から製造プロセスにおけるAI導入を推進するための重要なステップとなります。
共に拓く未来の技術
3Dプリンティングは今や「設計から出力までをシームレスに行える製造手段」として広く認知されていますが、その中でスライサーの役割は極めて重要です。従来のスライサーは、3D形状を水平レイヤーに変換することが求められており、AI技術が提案する曲面や自由な形状の製造には限界がありました。そこで、トコシエはマルチアングルで積層可能な多軸FDMプリンターと連携した新しいスライサー技術の開発に着手しています。
大竹研究室の専門知識を生かしながら、アルゴリズムの最適化や非平面積層理論の進化、そして設計から製造に至るまでの一貫した動作制御を目指していきます。この新たな技術が実現すれば、製造の分野で今まで困難だったことが数多く可能になるでしょう。
未来の製造の可能性
想像してみてください。人体や建物にフィットする自由曲面の製品や、構造解析や熱伝導、剛性を最適化したAI設計パーツ、多様な素材特性を活かしたハイブリッド造形などが実現可能になります。また、スキャンデータや手書きのデザインから即座に立体物に変換できる技術も視野に入っています。
AIが提案した自由な設計が、すぐにプリンタで造形される世界。それは、これまで職人の経験と手作業に頼っていた製造プロセスをAIとアルゴリズムが代行し、誰でも高精度なものづくりを実現できる時代の到来を示唆しています。これが実現すれば、ものづくりの概念は根本から変わることでしょう。
今後の取り組み
本研究の成果は、トコシエが開発中のAI 3D CADツール「モデリング・プロフェッショナルAI」にも取り入れられる予定です。これにより、設計、材料、出力、動作制御、UI/UXを横断して製造プロセスを完全に自動化するための中核技術となります。
会社概要
株式会社トコシエは、東京都杉並区に本社を構え、AIを活用した3Dモデリングおよび自動製造プラットフォームの開発・運営を行っています。公式ウェブサイトは
こちらです。
この共同研究は、AIと製造業がどのように融合し、未来のものづくりを形作るのかを示す重要な一歩であり、私たちの生活にどのような変化をもたらすのか、大いに期待されます。