熊本大学病院とバイエル薬品が心臓リハビリテーション推進の協定を締結
2024年8月20日、熊本市で熊本大学病院とバイエル薬品株式会社が心臓リハビリテーション推進に関する協定を結びました。この合意は、熊本県民の健康寿命を延ばすことを目指し、患者さんや医療関係者の心臓リハビリテーションへの理解と関心を深める活動を展開するものです。
心臓リハビリテーションの重要性
心臓リハビリテーションは、狭心症や心筋梗塞、心不全、心臓手術後の患者を対象に、寿命を延ばすだけでなく、生活の質を向上させる効果が確認されている治療法です。日本においては、心筋梗塞後の患者における外来リハビリテーションの実施率はわずか4〜8%に留まっており、心不全患者においても7%と、十分に利用されていないのが現状です。熊本県も例外ではなく、入院中から退院後まで一貫してリハビリを受けられる体制が求められています。
熊本大学病院とバイエル薬品の協力
今回の協定を通じて、両者は心臓リハビリテーションの重要性を広め、熊本県における普及を力強く進める方針です。具体的には、リーフレットの作成や医療機関のマップ提供を行い、地域での意識向上に努めるとしています。
協定に寄せたコメント
熊本大学病院の辻田賢一循環器内科長は、「当院は多くの心臓疾患患者を診療しており、心臓リハビリテーションはその予後改善に寄与します。バイエル薬品との連携で、熊本県の循環器病対策計画の達成を目指したい」とコメント。
バイエル薬品の中村祐輔本部長も、「心臓病患者の生活の質向上を目指す熊本大学病院と協定を結んだことを大変嬉しく思います。地域医療と連携し、患者さんが再入院せずに日常生活を送れる環境をつくっていきたい」と発言しました。
熊本大学病院の役割
熊本大学病院は、845床を有し、特定機能病院として地域医療の重要な役割を果たしています。様々な特性をもつ病院として、難治性疾患の治療や高度な医療の提供に取り組み、熊本県内の医療機関との連携を大切にしています。これは熊本県の健康環境を支えるため不可欠な要素です。
バイエルの企業理念
バイエルは「すべての人に健康を」というミッションを掲げ、世界の医療ニーズの解決に向けた取り組みを進めています。特に循環器病領域における新しい治療法の開発に注力し、持続可能な社会の実現に貢献しています。
まとめ
心臓リハビリテーションの普及は、医療現場の連携と患者教育が不可欠です。熊本大学病院とバイエル薬品の協定は、地域住民の健康寿命を延ばすための重要な一歩となるでしょう。今後の進展が期待されます。