あおぞら銀行とneoAIが次世代AI基盤を開発し金融業界を改革

AI革新が金融業界に新たな風を

近年、金融業界ではデジタル化が進み、企業は業務の効率化やサービス向上を目指しています。この流れの中で、あおぞら銀行と生成AIに特化したスタートアップのneoAIが手を組み、次世代AI基盤の構築に取り組みました。

東京で本社を置くこれらの企業は、「あおぞらLLM」という行内特化型の大規模言語モデルを開発し、業務における応答精度を130%向上させることに成功しました。これは銀行業務において重要なステップであり、特にセキュリティを重視したオンプレミス環境を活用することで、クラウドサービスにはない高い安全性を実現しています。

プロジェクトの背景

あおぞら銀行は、デジタルトランスフォーメーションを進める中で、顧客サービスの向上と業務効率化を両立させるために、neoAIとの提携を選びました。金融業界では情報の機密性が非常に重要であるため、オンプレミス型のAI基盤は、セキュリティを確保しつつ高精度な業務適用を行う手段として理想的です。neoAIは独自の追加学習技術やRetrieval-Augmented Generation（RAG）技術を駆使し、企業向けのカスタマイズ可能なAIソリューションを提供しています。

本プロジェクトの詳細

この新しいAI基盤は、あおぞら銀行の業務に必要不可欠な深い知識を持つLLMをチューニングすることから始まりました。例えば、法人業務やリテール業務における複雑な事務規定に基づいた内部ベンチマークが設定され、難易度の高い問いに対する精度向上が図られました。結果として、従来比130%の正確性で応答が可能となり、特に行内で使われる固有用語への理解が向上しました。

また、業務体系への包括的理解も促進され、従来では単独業務として捉えられていた内容が、全体の関連性を持って適切に応答されるようになりました。このように、AIは単なる知識の追加にとどまらず、実際のタスクや運用フローに即した形での能力向上が図られています。

オープンソースLLMの利点

この取り組みで用いられたオープンソースのLLMは、API型の提供モデルと比べて、セキュリティ環境が際立っています。オンプレミスの構築により、厳格なセキュリティレベルを維持しつつ、精度向上のための幅広い学習手法が適用されています。これにより、高難度の設問にも適切に応答できる能力が実現されています。

コメントと今後の展望

あおぞら銀行の五十嵐氏は、金融業界において情報の機密性を重んじる重要性を述べ、neoAIとの協業によってセキュリティと業務適用の両立に成功したことを強調しました。neoAIのCEOも、オンプレミス環境での実装のメリットを指摘し、更なる技術革新へ向けての意欲を見せました。

将来的には、このプロジェクトで得られた知見を地域金融機関と共有し、彼らの業務改善にも寄与したいとの意向が示されており、その取り組みは金融業界全体に新たな価値を提供することが期待されています。