洋服リサイクル実態調査: 流行変化に伴う衣類の再利用促進
株式会社トラストリッジが運営するサステナブルな暮らしを提案するプラットフォーム「ELEMINIST」は、2024年に実施した「洋服のリサイクルに関するアンケート」の結果を発表しました。調査期間は2024年8月16日から8月25日までで、対象は10代から60代の男女64名。
調査結果の概要
調査の中で、「自宅にほとんど着ない洋服がある」と答えた人は全体の約90%。具体的には、「少しある」との回答が50%、「まあまあある」が28.1%、「たくさんある」が10.9%でした。「ない」と回答したのは10.9%のみで、多くの人が家に眠る洋服を抱えていることが浮き彫りになりました。
使用しなくなった理由としては、最も多いのが「好みが変わった」(56.3%)で、次いで「トレンドに合わなくなった」(26.6%)、「サイズが合わなくなった」(23.4%)という結果が得られました。これらの理由は、ファッションに敏感な世代のニーズを反映しています。
リサイクル経験者の多さ
さらに興味深いことに、「洋服のリサイクルを行ったことがある」と回答した人は96.9%に達しました。具体的には、「いつも行っている」が51.6%、「ときどき行っている」が45.3%と、ほとんどの人がリサイクルを意識的に行っていることがわかります。
どのようにリサイクルしているかを尋ねると、「フリマアプリに出品する」が66.1%、次いで「リサイクルショップに売る」が51.6%、さらに「リサイクルを行うアパレルショップに持っていく」が41.9%と続きました。この結果から、さまざまな選択肢を利用して積極的に洋服のリサイクルが行われていることが示されています。
人気ブランドのリサイクルサービス
洋服リサイクルを行っているブランドについては、「ユニクロ」、「パタゴニア」、「無印良品」の認知度が高いことがわかりました。実際に洋服をリサイクルに出したことがあるブランドでは、「ユニクロ」が48.4%で最も多かったのに対し、「リサイクルに出したことはない」との回答も25.0%あり、まだまだ利用率は伸びしろがあることが示唆されました。
利便性向上への期待
リサイクルを行うショップへ意見を聞くと、多くの人が「特典があれば利用したくなる」と述べ、「もっとリサイクルできる店が増えてほしい」との声が多く見受けられました。また、「リサイクル後の衣類がどのように使われるのかが知りたい」という意見も多く、透明性の向上が求められています。
さらに、郵送でのリサイクル対応があれば便利だとの声もあり、オンラインでのリサイクルが進むことも今後の課題となりそうです。
消費スタイルの見直し
リサイクルの観点から、購入時の配慮やリペア、リメイクについても関心が高まっています。「流行に囚われず、長く着られるものを選びたい」や「必要なものだけを買うようにしている」といった意見が多く、リサイクルを行うことが目的化しがちな今、まずは消費を見直すことが重要であるとの認識が広がっています。
総括
アンケート結果をみると、洋服のリサイクルは既に多くの人にとって日常の一部となっていますが、実際にアパレルショップでリサイクルを行った経験がある人は限られています。リサイクルがより身近になり、多くの人が利用できるようになるためには、店舗数の拡大や他ブランドの衣類も受け入れる仕組みが求められます。このように、洋服のリサイクルが一般的になるだけでなく、消費習慣そのものの見直しが進められることが必要です。