大麻後進国ニッポン
2023年12月18日、高野泰年の著作『大麻後進国ニッポン』が発売され、瞬く間に東京や大阪の書店で第1位を獲得しました。これは、大麻についての正しい知識を広めようとする挑戦とも言えます。電子書籍でもセブンネットで7位を記録し、多くの反響を呼んでいます。
本書は、今まさに大麻合法化の動きが世界中で進む中、なぜ日本だけが取り残されているのかを問います。1970年代に始まった世界的な大麻の合法化運動に対して、日本の姿勢は依然として硬直したものであり、著者はこの現状を憂いています。特に、政府やメディアの誤解が「ダメ、ゼッタイ」という偏見を生み、それが国民の意識にまで影響を与えていることを指摘しています。
日本の大麻の歴史
日本における大麻の歴史は古いものであり、伊勢神宮の注連縄や横綱の土俵入りの綱などで使用されてきました。特に神道においては、麻織物が重要な神具として扱われています。しかし、1948年に制定された大麻取締法以降、大麻は違法薬物とされ、厳しい規制の下に置かれています。このような背景の中で、大麻がどれほど日本文化に根付いているかを再認識することは重要です。
医療と産業の可能性
世界では、世界保健機関(WHO)がCBDの医療効果と安全性を認めるなど、医療用・産業用大麻の活用が広がっています。著者は、日本もこの流れに乗り、普段の生活を豊かにするために大麻への偏見をなくす必要があると主張しています。また、大麻の合法化により、経済成長や新たな産業の創出の可能性も大きいと指摘しています。
誤解を解くための活動
高野氏は、自身の会社でCBDを活用した商品を開発・販売しているだけでなく、メディア出演や講演を通じて大麻に関する正しい情報の普及にも取り組んでいます。これまでにも、厚生労働省への働きかけや国会議員との対話を重ね、啓蒙活動を行ってきました。
本書の構成
本書の内容は多岐にわたりますが、特に以下の章が注目されます:
- - 第1章では、世界での大麻合法化の進展を紹介し、日本の思考停止状態に警鐘を鳴らします。
- - 第2章では、日本における大麻取り締まりの異常性や、誤解の背景について深堀します。
- - 第3章では、政府や厚生労働省がどのように認識を変えるべきかが論じられています。
- - 第4章は、一般市民一人ひとりがリテラシーを高めることの重要性を訴えます。
- - 第5章では、合法化が日本にもたらす未来について語られていきます。
まとめ
この本は、一見すると大麻に関するポジティブな側面ばかりに焦点を当てた内容ですが、一方で、深く根ざした偏見や誤解を乗り越えていくためには、個人が積極的に声を上げ、認識を変えていく必要があるというメッセージが込められています。
『大麻後進国ニッポン』は、それを理解するための絶好の一冊であり、今まで知らなかった大麻の新たな面を知るきっかけを提供してくれることでしょう。