C&Gシステムズが展開する革新的な生産システム
株式会社C&Gシステムズ(東京都品川区)は、形彫り放電加工(EDM)のプロセスを革新するフレキシブル生産システム‘AIQ-MfgSemiAuto(アイク-エムエフジーセミオート)’を開発しました。このシステムは、同社が金型製造現場における生産性を向上させる目的で設計されています。具体的には、金属部品の高精度加工を支援することを目指しています。
フレキシブル生産システムの概要
‘AIQ-MfgSemiAuto’は、形彫り放電加工に関する情報をデータベースで集中管理し、QRコードを用いたデータアクセスシステムを導入することで人的エラーを排除します。このプロセスは、作業を半自動化し、最終的には従来の手作業に比べて生産性を大いに向上させることが期待されています。
本システムを活用することで、初期投資を抑えつつも効率性と高い生産性を実現できます。この柔軟なシステムは、現在のDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進にも寄与しています。
設計から製造までの流れ
具体的な工程としては、まず設計段階でCAD/CAMを使用して、電極用の加工情報を作成し、データベースに登録します。その後、母材にはQRコードを貼付し、高さをデータベースに反映させます。このQRコードをスキャンすることで、加工用の情報が瞬時に取得でき、MC加工を行うことができます。
続いて、三次元測定機への情報提供もQRコードを介して行われます。ここでの測定結果は、次のEDM加工プログラムに自動的に補正され、寸法誤差を減少させる仕組みが整っています。全工程がこのQRコード活用によってスムーズに連動し、半自動化が実現されるのです。
未来の工場を見据えたシステム
C&Gシステムズは、今後全自動化ラインの構築を目指し、MC加工、CMM測定、EDM加工のすべてを自動運転で連携させたいと考えています。また、電極やワークの搬送を自動化する装置(AMR)を組み込むことで、人手に頼らずに生産全体を無人化する道筋を描いています。
このシステム導入により、段取り作業の削減、稼働率の向上、生産性の大幅な向上が期待されるほか、スマートファクトリーの実現に向けた重要なステップとなるでしょう。
現在の市場的背景
昨今、製造業界は多様化したニーズ、労働力不足、国際競争の激化など、多くの課題に直面しています。これに対応するため、本生産システムは放電加工の合理化ニーズを満たすために開発されました。生産性と品質の飛躍的向上を図るため、段取り作業の削減と安定した生産を可能にする技術が求められています。
さらなる発展を目指して
C&Gシステムズは、今後ワイヤカット、研削加工、旋削加工へも対応範囲を拡大し、現場のニーズに応じた最適な導入ステップを提案することに力を入れる考えです。すでに、フルオート版の開発にも取り組んでおり、より高度な自動化を追求しています。
販売・価格設定
この‘AIQ-MfgSemiAuto’の販売価格は、税別で5,400,000円からスタートします。なお、製品には保守料が別途必要となり、システム使用にはAIQベースモジュールの導入が必須です。
C&Gシステムズは年間販売目標を10本に設定しており、製品の普及を図っています。最先端の生産技術を駆使し、製造業の未来を切り開くこのフレキシブル生産システムに注目が集まっています。