IHI原動機による舶用エンジン燃費データ改ざんの最新報告と国交省の対策

先日、国土交通省からの発表により、株式会社IHI原動機が製造する舶用エンジンにおいて、燃料消費率のデータ改ざんが行われていたことが明らかになりました。この問題は令和6年8月21日に報告され、IHI原動機及びその親会社である株式会社IHIからの調査結果をもとにした追加報告が行われました。

報告によると、試運転時に測定した燃料消費率のデータが改ざんされていたことが確認されました。その結果、国内向けに出荷された1,980台の舶用エンジンのうち、6台がNOx（窒素酸化物）放出量の基準を超えていたことが判明しました。これは重大な問題であり、環境への影響を考慮すると、今後の対応が求められます。

国土交通省は、NOx放出量基準を逸脱したエンジンについて、基準に適合するために必要な技術的妥当性の確認を行い、改善措置を速やかに実施するようIHI原動機に指示しました。また、改ざん前の実測値に基づいて再計算を行った結果、実測値が存在しないものも含めて、さらなる詳細評価が求められています。

これに対して、IHI原動機は中間報告を行った後、燃料消費率の計測や記録の自動化を進めているとのことですが、再発防止策として組織文化の見直しや新たな取り組みを強化する必要があります。国土交通省も専門家による技術評価会を設立し、基準に適合させるための取り組みを進めていく方針です。

これまでに行われた調査によれば、NOx基準不適合の舶用エンジンが6台確認され、さらには19台に対して未だ詳細評価が必要とされています。この問題の解決に向けて、技術的な妥当性を綿密に確認し、継続的に改善策を講じていくことが重要です。国土交通省の指導の下、IHI原動機が今後どのように対応していくのか、注目が集まります。

この事案は、エンジンの安全性や環境基準の重要性を再認識させるものであり、今後の業界の在り方を考える重要な契機となるでしょう。企業としても、消費者の信頼を取り戻すために誠意ある対応が求められています。そして、このような事例が再発しないように、業界全体での協力が不可欠だと言えるでしょう。