モースマイクロが発表した新たなWi-FiチップMM8108
2024年1月9日、米ラスベガスで開催されたCES 2025において、オーストラリアを拠点とするモースマイクロが新世代のWi-Fiチップ「MM8108」を発表しました。このチップは、IoTデバイス市場における新たな基準を打ち立てるとともに、通信速度、消費電力、通信距離の全てにおいて業界最高水準を実現しています。
新たな時代のWi-Fi HaLowチップ
MM8108は、Wi-Fi HaLowテクノロジーを駆使したシステムオンチップ(SoC)であり、特に802.11ah仕様に準拠しています。このチップは、通信距離の拡張、低消費電力、認証の簡素化を実現し、様々な環境において効率的に動作することが可能になっています。農業から工業、家庭用まで幅広いアプリケーションに対応しています。
MM8108の最大の特長は、世界初となるサブGHz256-QAM変調技術を使用している点です。この技術により、最大43.33Mbpsという驚異的なデータレートを実現し、高密度環境でも安定した通信を可能にしています。
優れた性能と低消費電力
特に注目すべき点は、その省エネ性能です。MM8108は、電池駆動のIoT機器に最適化されており、長時間の運用を実現します。そのため、太陽光発電を利用したデバイスやカメラなどへの応用が期待されます。
さらに、26dBmのパワーアンプ(PA)と低ノイズアンプ(LNA)を統合しているため、外部デバイスに依存することなく、強力な通信を実現できます。バッテリー寿命が大幅に延び、コストパフォーマンスを最高水準に保つことができます。
統合が容易な設計
モースマイクロのCTO、アンドリュー・テリー氏は、「MM8108は強力で実用的なソリューションを提供し、次世代のIoT需要に応じた製品開発を支援します」と語っています。MM8108は、ホスト・オフロード機能や業界をリードするセキュリティにより、製品開発をこれまで以上にシンプルにし、コスト効率が高いものにします。
ゲートウェイとの連携
さらにモースマイクロは、MM8108の利用をさらに進化させるためのUSBゲートウェイ「MM8108-RD09」も発表しました。このゲートウェイは、あらゆる既存のWi-FiインフラにWi-Fi HaLowを統合することを目的としており、顧客が迅速かつ堅牢にデバイスをネットワークに接続できるよう支援します。これにより、顧客は容易にWi-Fi HaLowの機能を利用できます。
加えて、これらのソリューションはモースマイクロのエコシステムにより、市場の拡大を実現します。加速するIoT市場において、モースマイクロは競争力を維持し、顧客に新たな機会を提供し続けることが期待されています。
まとめ
MM8108の登場により、Wi-Fi HaLow技術は新たな局面を迎えました。特にIoTの進化に大きく寄与し、企業はこのチップを通じて新たな市場リーダーシップを確立できることでしょう。今後の展開に目が離せません。