GPU不要で進化するAI「CompreSeed AI」
近年、AI技術は急速に進化していますが、GPUに依存することで制約を受けがちです。特に中小企業や地方自治体は、そのコストや技術的なハードルから恩恵を受けにくいという現状があります。そこで登場したのが、新たな“圧縮推論方式”を採用した「CompreSeed AI」です。この技術により、私たちは一般的なノートPCで「Wikipedia300万件」を高速に検索・推論が可能になります。
新しいAIのアーキテクチャ
この技術の核心は、データを展開せずにそのまま圧縮状態で検索・推論ができる点にあります。具体的には、以下の三層からなるアーキテクチャを採用しています。
1.
圧縮知識層
ここでは、文書を意味単位で圧縮し、知識をwoman sematic_index.json に格納します。
2.
検索・推論層
この層では、GPUを使用せずに意味的類似度を推定します。これによって、ノートPCのみで高効率の処理を実現します。
3.
応答生成層
最後に、圧縮要約を統合し、自然な文で回答を生成します。外部の言語モデルとの接続も可能です。
高速で軽快な応答
検証環境として、NEC製の一般家庭向けノートPCで検証を行った結果、Wikipedia300万件を圧縮した状態で、応答速度はなんと0.2〜0.8秒という驚異的な数字が記録されました。メモリ使用量も2〜3GBと非常に軽量です。これにより、大規模な知識検索が一般の家庭環境でも実現可能となるのです。
多様な応用領域と展望
この技術は、自動応答システムや教育、医療、法務など多様な分野に展開が期待されます。特に、情報を外部に出せない環境でも利用できるローカル大規模AIとしての可能性は大いにあります。
さらに、今回公開されたホワイトペーパーでは、この技術の詳細や再現手順も公開されており、研究者や企業の検証を奨励しています。
事業の背景と今後の展開
アイテック社は、愛知県に拠点を置く次世代AIの研究開発を行う企業です。現在、特許出願も済ませており、国内外での展開に向けた準備を進めています。企業や自治体向けのProof of Concept(PoC)も開始し、API版の公開も計画しているとのことです。
このように、従来の技術的な制約を超える新しいAI構造が登場したことで、AIの普及がさらに進むことが期待されています。
今後も、CompreSeed AIに注目が集まり、さらなる発展があることを期待しています。