宝酒造インターナショナル、ドイツ食材卸業での出資比率を90%に引き上げ
宝酒造インターナショナル、ドイツの食材卸売業で新たな一歩
宝酒造インターナショナル株式会社(以下、宝酒造インターナショナル社)は、2024年11月19日に予定されている取締役会において、ドイツ・ミュンヘン近郊で食材卸売業を営むKagerer & Co. GmbH(以下、カーゲラー社)の90%の出資持分を取得することを決定しました。この取得は、同社の長期経営構想「TaKaRa Group Challenge for the 100th(TGC100)」の一環として、北米や欧州における日本食材卸の拡大を目指す取り組みの一つです。
取引の背景と目的
宝酒造インターナショナル社は、今年度の成長戦略として日本食材の市場拡大を掲げており、特にドイツは欧州における重要なマーケットと位置付けています。ドイツはEU加盟国で最大の人口(8400万人)を持ち、2023年の日本からの農林水産物・食品輸出も前年に比べ大幅に増加しています。このような背景から、カーゲラー社の連結子会社化は、ドイツ市場での確固たる事業基盤を築くための重要なステップと言えるでしょう。
カーゲラー社は、米や調味料、和酒、さらには冷凍魚介類などを扱い、独自の調達ルートを有しています。特に日本食文化の浸透が進む中、同社の役割は大いに期待されており、日本食レストランも急増しています。現在、ドイツには約1220店の日本食レストランがあると言われ、これらは欧州でも4位に位置しています。
成長戦略の具体化
宝酒造インターナショナル社の中期経営計画2025では、成長・強化領域への投資を加速させ、企業価値の向上を図ることが明記されています。特に、北米と欧州での日本食材卸の拠点拡大は重要な柱です。カーゲラー社が展開する欧州各国への取引先ネットワークを活用することで、新たな市場への進出も視野に入れています。具体的には、東欧や北欧などの新規市場開拓を通じて、日本食材の利用拡大を図る方針です。
世界的に健康志向が高まる中で、日本食はその栄養価や味わいが見直されており、国際的な注目を集めています。日本食材の卸売ネットワークの構築と和酒のさらなる販売強化を通じて、宝酒造グループはグローバルマーケットでのプレゼンスを高めることを目指しています。
今後の展望
宝酒造インターナショナル社は、カーゲラー社を通じて新たな成長の機会を捉え、ドイツ市場を基盤にした日本食材卸事業の飛躍的な成長を実現することを狙っています。この戦略的動きによって、今後の日本食材市場の動向にも大きな影響を与えることが期待されます。
健康的な食文化を広めることも一つのテーマとして、宝酒造インターナショナルグループは日本食と和酒を世界に促進し続けることで、企業価値の向上を図っていく方針です。加えて、成長を支えるための安全・安心な生産体制の強化や新商品などの開発も行っていくことで、市場での競争力を高めていくことを目指しています。
このような多角的なアプローチによって、宝酒造インターナショナル社は日本食のグローバルな普及に向けて着実に歩みを進めているのです。
会社情報
- 会社名
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宝ホールディングス株式会社
- 住所
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