文京区の公立学校で教師エンゲージメントサーベイを実施し働き方改革へ

文京区が教員エンゲージメントサーベイを導入

東京都文京区において、株式会社カモマンが「教師エンゲージメントサーベイ」の実証事業を開始しました。この取り組みは、文京区教育委員会と連携し、公立小学校での「働きがい」と「働きやすさ」を科学的に可視化することを目的としています。このプロジェクトは、「文京共創フィールドプロジェクト B＋（ビータス）」の一環として、学校現場における持続可能な働き方改革を進めるためのものです。

教師の働き方改革に向けた新指針

2025年9月に文部科学省が掲示した新しい方針では、教員の「働き方改革」に関する数々の指針が示されました。この指針では、在校時間の上限設定や、管理職の評価基準に働き方改革に関する項目が含まれることが強調されています。この改革により、教育委員会は業務量の管理や健康確保の施策を体系的に進める責任を負うことになります。

カモマンは、教師エンゲージメントサーベイを通じて、こうした新しい指針の下で教育現場がデータに基づく持続可能な職場改善に取り組むための支援を行います。

教師エンゲージメントサーベイの利点

教師エンゲージメントサーベイは、教育現場に特化した組織診断ツールで、25の指標に基づいた客観的かつ定量的な診断結果を提供します。専門スタッフによる提言も行われ、学校の職場環境の改善や人材の定着、採用広報までを一貫してサポートします。

データで明らかになる成果

実証事業に導入された学校のデータでは、教員の「働きがい」を示すエンゲージメント指数が平均6.7%上昇し、「働きやすさ」の指標も8.2%改善されたことが確認されています。これらの成果は、制度の大規模な改正なしに、日常的な意識改革や行動の変化によって得られました。

他サーベイとの違い

一般的なストレスチェックが不調の予防を目的とした「ネガティブ状態の検出」に対し、エンゲージメントサーベイは積極的な勤務態度を測るものです。教師エンゲージメントサーベイは、教職特有の職務構造や人間関係、教育負荷を分析し、教員の働きやすい職場環境を視覚化する全国唯一のモデルです。

文京区とカモマンの期待

文京区の政策研究担当課長は、「この実証を通じて、学校における働き方改革が求められる中、区立学校の魅力向上につながることを期待しています」と述べています。カモマンの代表取締役、宮原うらら氏は、「教員の働きがいと働きやすさの向上は、現状把握と本質的な改善策によって実現されます」とコメントしました。

カードゲームでの働きかけ

また、カモマンは「学校の働き方改革」に関するワークショップ型カードゲームの参加者を募っています。このゲームは教師エンゲージメントサーベイの知見に基づき設計され、職場のコミュニケーションを促し、教員の対話を深めるためのものです。この取り組みを通じて、教員が自発的に変化を生む働き方改革を進め、働きがい向上に寄与することが期待されています。

課題を共有し未来を見据えて

この取り組みは、教育現場の持続的な変革を促進すると共に、教師の職場環境を改善するための重要な一歩です。今後、文京区の公立学校がどのようにこのサーベイを活用し、具体的な成果を上げていくのか注目です。また、カモマンの取り組みによって、多くの教員がよりよい環境で働くことができるようになることが期待されます。