国内中古車市場は輸出好調と販売低迷の二極化が続く

中古車市場の動向と未来の展望

2025年10月、日本の中古車市場は輸出の増加と国内販売の二極化という二つの大きな動きによって複雑な状況にあります。愛知県名古屋市に本社を構える株式会社ファブリカコミュニケーションズが発表した最新の中古車市場統計レポートによれば、現状はさまざまな要因が絡み合い、流通の変化が起きています。

新車・中古車登録のトレンド

まず、2025年10月の新車および中古車の登録動向について見ていきましょう。新車登録台数は前年に対し98.2%で減少傾向にあり、特に一部人気車種の新規受注停止や生産調整が影響しているとされています。これとは対照的に、中古車登録台数は104%と増加しており、堅調な需要が支持しています。

新車の市場は例年通りの減少が続く一方で、中古車市場は活況を呈しています。これは、消費者が新車を避け、中古車にシフトしている傾向を示唆しています。

輸出の影響

2025年度上期における日本車の輸出は前年同期比で15.1%増加し、87万台に達しました。この背景には、アフリカや中東の新興国での日本車への需要が高まっていることが影響しています。特に、タンザニア向けの輸出が著しく伸びており、円安もこれを後押ししています。

しかし、国内市場はさておき、輸出の好調さは経済全体にどう影響するのでしょうか。市場全体を把握することが難しくなる中、輸出による価格高騰が国内販売にブレーキをかける可能性もあります。

国内販売の二極化

国内中古車販売に目を向けると、店舗により状況が大きく異なります。最新の調査によると、設問に対し「利益が良い」と答えた店舗は36%だったのに対し、「少し悪い」または「大変悪い」と答えた店舗は約35%に昇ります。このような結果は、販売環境の明確な二極化を示しています。

販売が好調な店舗は、相場高騰によって粗利が改善している一方、管理がうまく行き届いていない店舗は在庫確保に苦しみ、売上が伸び悩むケースが目立ちます。

高価格維持の背景

新車供給の不足は内需にも影響を及ぼしています。その結果、下取り車やオートオークションの出品台数が減少しており、特に1〜5年落ちの車両の出品が乏しいことが顕著です。このため、相場が高値で推移し続け、年末に向けた高値水準の継続が予測されます。

今後の課題

輸出の好調が続く中、国内市場では販売の改善が見られず、これが今後も続く可能性が高いです。輸出需要が強まる過程で、仕入れ価格が上昇し、国内小売業者が利益を確保するのが難しくなるため、経営戦略の見直しが不可欠と言えます。

店舗運営においては、販売や仕入れだけに依存せず、在庫の質や回転を重視することが今後の安定した経営を促す鍵となるでしょう。2025年は、変化が多い市場環境においても自らを振り返り、進化を続けることが求められています。最新の情報については、株式会社ファブリカコミュニケーションズからの提供情報を基に、定期的に更新されたデータを検討することをお勧めします。