SUBARUとEurekaの革新的な提携
2023年、株式会社SUBARU(以下「SUBARU」)は、エウレカロボティックス株式会社(以下「Eureka」)が開発した「Eureka AI ビジョンシステム」をその次世代工場のピッキング工程に採用することを発表しました。これにより、製造業におけるピッキング工程の自動化が大きく前進すると期待されています。
Eureka AI ビジョンシステムの概要
Eureka AI ビジョンシステムは、事前のワーク学習やアノテーションなしに、未知のワークを認識して自動でピックする「マスターレスピッキング」機能を特徴としています。この技術は、従来のAIピッキングシステムが抱える多くの課題を解決し、特に多品種ワークを扱う工程での自動化が期待されています。導入は2026年4月からSUBARU大泉工場で試験的に行われる予定です。
従来システムの課題
自動車製造においてはモデル変更が頻繁に行われ、それに伴って使用する部品も変わります。従来のAIピッキングシステムでは、部品が変わるたびに画像登録やAIの再学習が求められ、従業員にとって膨大な工数がかかる課題でした。この問題は、多品種かつ頻繁な品種切り替えを行う生産ラインにおいて、特に深刻です。人工知能の柔軟な学習機能が必要となる中、従来のシステムはこれに応えられず、導入の障壁となっていました。
Eurekaの技術的アプローチ
Eurekaは、事前の学習なしでピッキングが可能なシステムを開発しました。
その主な特長は以下の通りです。
- - ワーク画像の事前登録が不要:新しい部品が現れた際にも即座に対応が可能。
- - アノテーション作業が不要:形状や特徴をAIに教える必要がない。
- - 品種追加・変更時の再学習が不要:多品種ワークに柔軟に対応できる。
これにより、ピッキング工程自動化にかかる準備や運用の工数が大幅に削減されます。これは、自動化普及に向けての大きな利点となります。
SUBARUでの採用の背景
SUBARUは、全社的に省人化と工程の自動化を進めています。特にピッキング工程は、自動化が浸透しやすい部門でありながら、ワークの品種が多いことで導入が難しいという問題がありました。Eureka AI ビジョンシステムは、多品種への対応能力と学習レスにより立ち上げ工数削減が可能で、その点が高く評価されることとなりました。
企業の声
SUBARUの執行役員である宮入拓氏は、「人手不足が深刻化するなかで、省人化や自動化は急務です。従来のシステムの課題を根本から解決するEurekaの技術を高く評価しています」と述べています。
一方、Eurekaのマネージングディレクタ石丸広典氏は、「マスターレスピッキングは製造業においても大きな価値をもたらすことが判明しました。SUBARUの採用は我々にとって大きな自信となります」とその成果を強調しました。
今後の展開
Eureka AI ビジョンシステムは、2026年4月からの試験導入を経て、実生産ラインへの導入が計画されており、将来的にはSUBARUが描く次世代工場への展開を目指しています。
企業情報
社名:株式会社SUBARU
所在地:東京都渋谷区恵比寿一丁目20番8号
設立:1953年
事業内容:自動車および航空宇宙カンパニーの開発・製造
社名:エウレカロボティックス株式会社
所在地:東京都江東区新木場一丁目17番8号
設立:2023年
事業内容:ロボットビジョンシステムの研究開発、製造、販売