特別展「知られざる秀逸コレクション」最終章
小布施 北斎館では、特別展「知られざる秀逸コレクション」の最終期が9月6日から始まります。明治・大正・昭和にかけての浮世絵の傑作を展示し、浮世絵の変遷を追う貴重な機会です。この特別展は、東京・足立区立郷土博物館が所蔵する1000点以上もの浮世絵版画をもとに、松方三郎旧蔵品を中核に展開されています。
開催概要
展覧会は全4期に分かれており、最終期である第4期では、明治から昭和に至るまでの多様な浮世絵が楽しめます。展示期間は2025年10月5日までとなっており、開館時間は午前9時から午後5時までです。入館料は大人1,500円、大学生・高校生700円、小中学生500円で、小学生未満は無料です。特にリピーターには嬉しい割引が適用され、半券の提示でお得に再入館ができます。
展示する作品の一部
今回の展覧会では、以下の5つのテーマに基づく素晴らしい作品が紹介されます。
1. 美人画
明治時代の月岡芳年による「東京自慢十二ヶ月」シリーズの作品が展示され、優美な女性たちの姿が描かれています。色彩の感覚には、明治らしい美しさがあります。
2. 戯画
昇斎一景しの戯画、「東京名所三十六戯撰」も展示予定で、ユーモラスな姿で近代化する街を切り取っています。彼の作品は、東京の名所を舞台にし、当時の風俗を柔らかいタッチで表現しています。
3. 風俗画
豊原国周の「上野公園より不忍花火の夜景」では、明治9年の上野公園での花火を見上げる女性たちが描かれ、当時の装いって変化も見て取れます。伝統的な日本髪や新しい束髪のスタイルが混在し、明治の移り変わりが垣間見えます。
4. 風景画
小林清親の作品は、「光線画」と呼ばれる新しい表現で描かれており、暖かな光や陰影が画面に漂います。江戸から東京へと移り行く町並みが、作品に美しい情趣を与えています。
5. 花鳥画
小原古邨による「柘榴と鸚鵡」では、浮世絵の伝統的な技法が生かされています。細かな手作業による凹凸感が、視覚的にも印象的な作品を生み出しています。
最後に
特別展「知られざる秀逸コレクション」は、今回が最後の機会となります。普段は触れることのできない貴重な浮世絵の数々をこれだけ集めて楽しむことができるのは、まさに特別な体験です。皆様のご来館を心よりお待ちしています。
北斎館の50周年記念とともにこの展覧会を通じて、日本の浮世絵の素晴らしさを再発見する機会にしてみてはいかがでしょうか。