慢性的な腰痛がもたらすメンタルの影響についての調査結果

ILC国際腰痛クリニックでは、慢性的な腰痛とメンタルヘルスの関係についての調査を行いました。腰痛を抱える患者においてメンタル面への影響があることが各種テストの結果より明らかになっています。特に、EDT（エッセンシャル・デプレッション・テスト）を用いた分析の結果、「疲労感」「自殺念慮」「食欲の変化」「興味喪失」の四つが腰痛との関連性が強いことが分かりました。

調査の目的と方法

本調査は、AWCクリニック（東京院、大阪院）を受診した男女448名を対象に行われ、2024年3月から2025年4月にかけて実施されました。アンケートを通じて、患者たちのメンタルヘルスを評価し、腰痛との因果関係を統計的に分析しました。

調査の背景

当院の理念として「腰痛治療効果100%」を掲げています。その理念に基づき、腰痛が発生するさまざまな要因を考慮し、より効果的かつ安全な治療法を模索しています。日常生活においても、慢性的な痛みがどのように生活に影響を与えるかは重要な課題です。

痛みの恐怖とメンタルヘルス

研究において注目されている「痛みの恐怖—回避モデル」は、痛みに対する恐れが患者の行動にどのように影響するかを示しています。痛みを避けるための回避行動が筋力を弱め、さらには気分障害を引き起こすことで、痛みが悪化する悪循環を形成します。このモデルは、心理的側面が慢性腰痛の治療において重要であることを示唆しています。

調査結果

1. 疲労感との関連

疲労感がある患者は、腰痛が悪化しやすいことが分かりました。これは、酸化ストレスが椎間板組織に与えるダメージや、筋肉の機能低下を招く可能性があるからです。

2. 自殺念慮

うつ状態の患者では、神経伝達物質の機能低下から痛み抑制が行き届かず、慢性の痛みが増強される傾向にあります。これにより、痛みは精神的苦痛を伴うことになります。

3. 食欲の変化

腰痛により活動量が減少すると、食事量も減少し、必要な栄養素が不足します。これにより、身体の回復力が低下してしまうことが考えられます。

4. 興味喪失

興味喪失は、引きこもり傾向による身体機能の低下を引き起こし、腰痛を悪化させる要因となります。社会的な活動への関心が失われることで、リハビリテーションへの取り組みも減少します。

臨床的意義

この調査は、腰痛患者において身体的側面だけでなく心理的・精神的なアプローチの重要性を示しています。今後は、疲労管理やメンタルサポート、栄養指導を通じて、腰痛の軽減を図る必要があると提言します。

今後もILC国際腰痛クリニックでは、患者様に対し、包括的な治療プログラムを提供し、痛みからの回復を支援する所存です。