医薬品の安定供給を目指す新たな物流プラットフォームが始動

医薬品の安定供給を実現するための新たな実証実験が始動

株式会社ロジスティクスナイト・ジャパン（LKJ）、いすゞ自動車株式会社、富士通株式会社の三社は、国内の医薬品供給を担保するために新しい医薬品物流プラットフォームの構築に乗り出しました。この実証実験は11月上旬より開始され、製造拠点から薬局や病院等の最終納品先へ至る物流網の一元管理を目指しています。

背景

近年、物流業界は慢性的な人手不足やドライバーの高齢化、加えてコストの上昇が影響し、様々な問題に直面しています。医薬品においては十分な量が供給されているにも関わらず、供給不安や在庫の不均衡が目立ち、特定の地域で医薬品が不足する事例が増加しています。これに伴い、適切な温度管理が求められる医薬品の運搬や保管においてもトレーサビリティが確保されていないことが課題として挙げられます。

実証実験の概要

この実証実験では、次の三つのテーマに取り組みます。
1. 医薬品の適正流通（GDP）ガイドラインに基づいた理論在庫値及び温度の可視化
2. 物流効率の向上を目指す共同輸送の実施
3. 作業効率を高めるためのパレット輸送の導入効果の検証

特に共同輸送では、北海道内の調剤薬局や病院を対象にシミュレーションが行われます。この実証実験は国土交通省の公募事業「物流イノベーション実装支援事業」にも関連しており、LKJ、いすゞ、富士通のほかに、トランストロンとRidgelinezという二社が参加しています。これにより、より広範なデータの収集と分析が期待されています。

各社の役割

- ロジスティクスナイト・ジャパン：医薬品物流に関する専門的な知見を提供し、運搬の安全性をタスクします。
- いすゞ：運行管理システム「GATEX」を用いて、輸送車両の情報を収集し運行の可視化を図ります。
- 富士通：スマート物流サービスの一環として、強靭で柔軟なサプライチェーンの構築に取り組みます。

今後の展望

このプロジェクトを通じて、LKJ、いすゞ、富士通の三社は、物流全体の品質保証や在庫廃棄の削減に貢献するため、データ連携を強化していく方針です。医薬品物流におけるつながりを強化することで、荷主、物流事業者、卸売業者、そして最終利用者である患者間の課題を解決し、最適化を図ろうとしています。

さらに、いすゞは新たなサービスの創出を目指し、業界を超えた様々なステークホルダーとの連携を深めます。富士通も社会課題に応じたビジネスモデルを推進し、持続可能な社会への貢献を目指しています。