六甲ウィメンズハウスの新しい居住支援の試み
女性の人権の保護や、ジェンダー平等の実現を目指す「ウィメンズネット・こうべ」が推進する「六甲ウィメンズハウス」が、クラウドファンディングを開始しました。このプロジェクトは、住宅困難を抱える女性とその子どもたちに対して、安心して居住できる場所を提供することを目的としています。
ウィメンズネット・こうべは、30年以上にわたり女性や子どもへの支援に取り組んできました。2004年にはDV被害者のためのシェルターを開設し、約400件にわたるサポートを行ってきた実績があります。さらに2019年からは居住支援法人として、保証人がいない、所持金が少ない、子連れでの生活を余儀なくされているなどの問題を抱える女性たちのために、住宅の確保を手伝っています。
シングルマザーの厳しい現状
特にシングルマザーの子育て環境は厳しい状況にあり、厚生労働省の調査によると、母子家庭の平均所得は243万円であり、一般の家庭に比べて著しく低いことが示されています。これにより、経済的な困難から子どもたちへの虐待リスクが高まっているのが現実です。したがって、居住空間がまず確保されることが、仕事や学びへの意欲を促進する上で不可欠だとされています。
「ここにしかない場所」ではなく、「ここに住みたいと思える場所」を提供したいとの強い願いから、「六甲ウィメンズハウス」の構想が生まれました。この家は、女性たちが地元で安心して生活できる「つながり」の場でもあります。
多様なコミュニティの形成
「六甲ウィメンズハウス」は、公益財団法人神戸学生青年センターと共に運営されます。この団体も長年にわたり留学生や学生支援を行っており、特にコロナ禍以降は多くの外国人留学生が経済的困難に直面しています。このため、さまざまな背景を持つ女性たちがともに形式的にではなく、自然と連帯しあうコミュニティの形成を目指しています。
新しい形での「居住支援」は、孤独や孤立を克服し、「つながり」を生むことが期待されています。さまざまな支援活動、例えば読書会やサポートグループを通じて、女性たちの自信や未来への希望を育む場を提供していく予定です。
休眠施設の再利用
今回のプロジェクトは、コープこうべの旧女子寮を利用して行われます。多くの方々が直面している住宅問題を解決するため、休眠施設の有効活用が求められています。この取り組みは、企業のCSR活動の一環としても重要視されており、地域社会への貢献をさらに広げる可能性があります。
この改修には約1億8,000万円の費用が必要ですが、そのうち国からの支援があるため、約8,000万円をウィメンズネット・こうべと神戸学生青年センターが負担します。しかし、まだ資金が不足しているため、クラウドファンディングを通じて3,000万円を集める計画です。
共同の未来のために
このプロジェクトは、特にDVなどで困難な状況にある女性や、低収入の家庭のニーズに応えるものです。経済的な苦境や不安を抱えた多くの女性に対して、まずは住まいを提供することで、生活の自立をサポートすることを目指しています。「六甲ウィメンズハウス」が完成すれば、地域とのつながりや新たなコミュニティの形成に極めて重要な役割を果たすことでしょう。
このクラウドファンディングは、大きなチャレンジですが、広く応援をいただくことで一歩踏み出すことができると考えています。詳細は公式ページにてご覧いただけます。実現に向けての皆さまのご支援を心よりお願い申し上げます。
プロジェクト情報
- - プロジェクトタイトル:困難を抱える女性や母子が自立できる「住まい」をつくろう!
- - 期間: 11月4日(金)~12月22日(木)
- - 詳細: こちらからご覧ください