キャップジェミニとSAPが生成AIを活用しビジネスプロセスを強化する取り組み

キャップジェミニとSAPが生成AIで企業の業務強化をサポート

2024年7月22日、フランス・パリに本社を置くキャップジェミニは、SAPとの長期的な戦略パートナーシップを拡大し、企業の主要業務プロセスに生成AIを効果的に導入することを発表しました。この新たな提携により、企業が直面する重要課題に対処するための支援が強化されます。

キャップジェミニは、データとAIの分野でのリーダーシップを活かし、大規模なSAPトランスフォーメーションの実行に関する専門知識を取り入れ、SAP Business Technology Platform（SAP BTP）に基づく生成AIソリューションを提供することで、顧客の複雑な業務プロセスを強化していきます。

新たなパートナーシップの焦点

キャップジェミニの拡張されたグローバルSAPセンターオブエクセレンス（CoE）は、以下の3つの重要な領域にフォーカスします：

1. AIと生成AIによる業務プロセスの強化
エンドユーザーの生産性を向上させるため、産業ごとにカスタマイズされたユースケースを通じて意思決定の質とスピードを向上させます。

2. 稼働開始までの期間短縮
大規模SAPトランスフォーメーションの実施フレームワーク全体を通じ、生成AIアクセラレータを利用することで効率を向上させ、短期間での運用開始を可能にします。

3. 従業員のスキル向上
キャップジェミニは、SAPコンサルタントとエンジニアに対し、生成AIの手法とツールに関するトレーニングを実施し、2025年上半期までに20,000人のスキルアップを目指します。

具体的な活用事例

キャップジェミニとSAPは、すでに顧客と協力して生成AIの活用を進めています。具体的な例として、持続可能性の目標達成の援助として、食品廃棄量を削減するキャンペーンを行う食品小売業者をサポートしています。また、自動車メーカーが直接調達機能をデータ主導のプロセスに変革する際にも、支援を行っています。さらに、半導体業界向けの売上増加を促すため、複雑な技術文書をスキャンし、顧客に最適な提案を行う仕組みを整備しました。

経営者の視点

SAPの最高AI責任者、フィリップ・ハーツィク博士は「キャップジェミニとのパートナーシップ拡大によって、顧客のビジネスプロセスを再考し、新しい革新的な機能を生み出すことができることを嬉しく思っています」と述べています。

また、キャップジェミニのグローバル責任者、Narayanan Balasubramaniamは「生成AIは組織の運営を変革しており、顧客をサポートするために能力とパートナーネットワークを拡大しています」と、今後の展望を語っています。

まとめ

キャップジェミニは、デジタル技術を通じて企業に価値を提供し続けてきました。50カ国以上で約34万人のメンバーから成るこの企業は、テクノロジーの活用から得られる幅広いビジネスニーズに応えることで、信頼を築いています。2023年の売上は225億ユーロにのぼり、AI、クラウド、データの分野での能力を活かし、企業のデジタル変革を推進しています。