思考ツールを用いても進まない業務の課題
リクエスト株式会社が発行したレポート『なぜ「思考ツール」を使っても良くならないのか』では、思考ツールやフレームワークが業務に与える影響について考察しています。このレポートは、33.8万人の行動データを元に、業務上の話し合いがいかに構造的に扱われるべきかを分析します。
業務の現状
最近のビジネス環境では、思考ツールやフレームワークが導入される一方で、実際の業務改善には結びつかないという現象が発生しています。会議は増加し、提供される資料も洗練されているにもかかわらず、課題解決のための行動が追いついていない実情は多くの現場で問題視されています。
このレポートでは、個人の能力や意識、ツールの使い方に焦点を当てるのではなく、業務上の話し合いにおいて参加者が何を事実として扱っているのか、その背景や前提条件がどのように共有されているかに着目しています。
具体的な課題
業務においては、現場で発生した出来事や数値が共有され、参加者が意見を交わすことが多いですが、具体的には以下の点が問題視されています。
1.
事実の扱い: 話し合いの際に、何を事実として共有するかが不明なまま進むことが多い。
2.
背景の理解: その事実をどのような背景で捉えているのかが共有されず、各参加者が異なる認識を持ったまま議論を進める。
3.
共通の前提: 前提条件が整わないまま話が始まることで、コミュニケーションが噛み合わなくなる。
このような状況下では、同じ言葉を使っているにもかかわらず、指している対象や内容が一致しないことが頻発します。その結果、「話は進むが噛み合っていない」という状態が常態化し、組織の効率が落ちてしまいます。
結論への道筋
事実、背景、前提が整理されないまま話し合いが進むことにより、以下のような問題が生じます。
- - 論点が増えていくが、結論には至らない。
- - 説明や整理が重複し、効率が悪化する。
- - 結論に至った後も、その根拠や前提が共有されず、次のステップに引き継がれない。
この流れが繰り返されることで、業務上の満足度が低下し、「やっているが進んでいる実感がない」といった状態に陥ります。
本レポートの意義
本レポートの目的は、特定のツールや方法論の評価ではなく、話し合いの前提について整理することに重きを置いています。思考ツールや分析手法の使い方だけでなく、それを支える構造がどうなっているかが重要です。この構造を理解することで、同じツールを使用していても、業務の質や成果に大きな違いが生じる可能性があります。
このレポートは、思考ツールやフレームワークを組織内で取り入れているが、その効果に疑問を持っている方にとって必読の内容です。次回の会議に向けて、事実と背景を整理し、共通の前提を持って臨むことの重要性を改めて考えさせられることでしょう。