京都橘大学の新しい工学部ロボティクス学科
2026年4月、京都橘大学に新たに工学部ロボティクス学科が開設されることが発表されました。この新たな学科の目標は、人間とAI、そしてロボットが共生する社会を形成するための人材を育てることです。特に注目すべきは、ロボティクス学科に伴 碧氏が教員として着任することです。
伴 碧氏のプロフィール
伴 碧氏は心理学の博士号を持つ心理学者で、現職は大阪大学大学院基礎工学研究科特任准教授として、石黒浩研究室に所属しています。彼の専門は発達心理学であり、ロボットにおける人間の感情や社会的行動についての研究を行っています。2015年には同志社大学大学院の心理学研究科博士課程を修了し、その後の研究は「ロボットの心を科学する」ことをテーマとして進行し続けています。
ロボティクス学科のカリキュラム
新設されるロボティクス学科では、機械工学に加えて、電気電子工学、計測・制御工学、AI・情報工学といった異なる分野の知識を統合的に学ぶことができるカリキュラムが用意されています。これは、次世代の技術者が求められる多様なスキルを身に付けられるよう工夫された内容です。特に、感情や想像力、倫理観を高めるための実践的な学びを重視しています。
伴氏の研究テーマ
伴氏の研究は様々なユニークなテーマに取り組んでいます。「可食ロボット」と呼ばれるゼラチンなどで作られたロボットを利用し、人が食べる際の感情や体験を検証する研究や、ロボットとの対話における印象形成についての評価といった、社会的意義のある課題に取り組んでいます。
特に、幼児期におけるロボットの擬人化についての研究も注目されており、どのように人間がロボットに生命を感じるかを心理的に分析する試みが行われています。これらの研究を通じて、伴氏は人とロボットの関係性を深く理解し、未来のロボティクス社会における重要な知見を提供することを目指しています。
教員陣と今後の展望
新設されるロボティクス学科には、AI研究の第一人者である松原 仁氏をはじめ、ヒューマンエージェントインタラクションの先駆的な研究者たちが集結する予定です。これにより、専門性の高い教育環境が整い、次世代のロボティクス技術と社会の架け橋となる人材の育成が期待されます。
結論
京都橘大学の工学部ロボティクス学科は、AIとロボティクスが進展していく現代において、未来を担う人材を育成する重要な役割を果たすことでしょう。そして、伴 碧氏の心理学的視点からのアプローチが、ロボティクス分野に新たな波を生み出すことが期待されるのです。