一般社団法人日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会は、国民の耳・鼻・のどの健康増進を目的に、2024年7月1日より、ACジャパンの支援による難聴啓発キャンペーンを開始しました。
近年、難聴はコミュニケーションの困難さだけでなく、認知症やうつ病などの発症リスクを高めることが明らかになってきました。そのため、難聴の予防、早期発見、適切な介入が重要視されています。
WHOは2017年の総会で「難聴および聴覚障害の予防」を決議し、世界的な啓発活動が展開されています。しかし、国際的な調査では、難聴を自覚した際に医師に相談する割合は、日本が38%と、諸外国の50%~80%台と比べて低いことが明らかになっています。
本キャンペーンでは、難聴は「聞こえない」だけでなく「聞き返し」「聞き間違い」「聞こえにくさ」など、身近な状況も含まれることを理解してもらうために、分かりやすい表現を用いています。
キャンペーンの中心世代となる60歳を迎えた近藤真彦さんが、CMとポスターに出演し、聴力検査を受けることの大切さを訴えています。
「マッチ60歳、聴力検査デビューします!」というキャッチフレーズで、多くの人に聴力検査への関心を高め、難聴の早期発見・治療につなげることが期待されています。
難聴啓発キャンペーンは、国民の健康意識向上に大きく貢献する取り組みです。近藤真彦さんの起用は、幅広い世代にメッセージが届きやすく、聴力検査への関心を高める効果が期待されます。
聴力検査は、難聴の早期発見だけでなく、他の健康問題の早期発見にもつながる可能性があります。キャンペーンを通して、多くの人が聴力検査の重要性を認識し、積極的に受診することで、より健康的な生活を送ることができるようになることを願っています。
また、難聴は、本人だけでなく家族や周りの人にも大きな影響を与えます。本キャンペーンが、難聴に対する理解を深め、社会全体で難聴者へのサポート体制を強化するきっかけとなることを期待しています。