背景
近年、日本の農業は気候変動の影響を大きく受けています。特に猛暑が続くことで、水稲作りが厳しくなり、品質や収量の低下が深刻な問題となっています。日本の米作りは農家の努力に支えられていますが、担い手不足や化学肥料の高騰も影響しており、こうした課題に直面しています。
そこで、株式会社ファーマフーズは東京大学との連携を通じて、新たな農業技術であるバイオスティミュラントの開発に取り組んでいます。これにより、気象変動による収量減少を防ぎ、高品質な日本米を持続的に生産することを目指しています。
バイオスティミュラントとは
バイオスティミュラントは、植物の成長を助ける天然成分や微生物を用いた農業資材です。特に植物内生酵母を利用したファーマフーズの技術は、根張りを促進し、収量を増加させる効果が確認されています。また、猛暑の影響で増加しがちな白未熟米の発生を抑制する機能が備わっています。
研究開発の進展
この度、ファーマフーズのバイオスティミュラント開発プロジェクトが、「令和7年度オープンイノベーション研究・実用化推進事業」に採択されました。この事業は、農林水産省の予算を受けて、産学官が連携し、新たな農業技術の実用化を目指すものです。
本プロジェクトでは次の3つの柱が設定されています。
1.
次世代型バイオスティミュラント製品の開発
2.
水稲の収量・品質への有効性評価
3.
水稲農家への社会実装
ファーマフーズは、プロジェクトを通じて東京大学と伊藤忠食糧と協力し、基礎研究から実用化に至るまでの一貫した体制で進めています。
産学連携体制の強み
- - 東京大学:有効性の評価と作用メカニズムの解明を担当する晝間敬准教授の協力を得て、科学的な裏付けを持った研究を行います。
- - 伊藤忠食糧株式会社:製品の出口戦略を担当し、市場へのスムーズな導入を目指します。
- - 株式会社ファーマフーズ:全体の研究統括と製品開発を行い、次世代型バイオスティミュラントを茨城県水田の農家に提供します。
今後の展望
ファーマフーズは今後、このバイオスティミュラントを利用して水稲農家の皆さんにサポートを提供することを目指します。日本の主食であるお米の安定供給と品質を確保するための取り組みは、私たちの未来にとって非常に重要です。
また、持続可能な農業を促進することは、次世代の食料生産に向けた重要なステップでもあります。この新しい技術が実用化されることで、多くの農家が恩恵を受け、厳しい環境下でも高品質な米を生産できる未来が期待されています。