ファンケルが斬新な水性クレンジング料を発表
株式会社ファンケルは、革新的な水性クレンジング料の開発に成功したと発表しました。この新製品は、分子シミュレーション技術と小角X線散乱法を利用して、メイク汚れの落ちる過程を可視化することにより実現されたものです。これにより、低濃度の界面活性剤でもしっかりとメイクを落とすことができ、安全性も高いクレンジング料が誕生しました。
研究の背景と目的
ファンケルはオイルクレンジングの分野で強みを持つ企業ですが、オイルを使用することに抵抗を感じるユーザーのニーズにも応えたいと考えていました。特に、オイルクレンジングを使用しない文化がある国々に対し、メイクをすっきりと落とせる水性クレンジング料の開発が急務だったのです。
一般的に水性クレンジング料の洗浄性能を向上させるには、界面活性剤の濃度を上げる必要があります。しかし、この方法では肌の刺激や乾燥を引き起こす恐れがあります。そこで、本研究では、界面活性剤を低濃度に保ちながら、効率よくメイク汚れを落とすことを目的にしました。
洗浄性能の可視化
研究では、クレンジング料の洗浄性能が界面活性剤の種類や配合量、さらにはそれらの集合構造にどのように影響するかを明らかにしました。特に、シクロヘキシルグリセリンとグリセリンという2種類の保湿剤を使用した試験では、前者の方が洗浄性能に優れていることが明らかになりました。シクロヘキシルグリセリンを含む処方は、界面活性剤がモザイク状に分散しているのに対し、グリセリンの方は層状の構造を持っていたため、実際のメイク落ちにおいて大きな差が生じたのです。
メイク汚れの吸着メカニズム
さらに、クレンジング剤がメイク汚れに対してどのように吸着するかを可視化した結果、シクロヘキシルグリセリン配合の処方が迅速にメイク汚れに吸着することが判明しました。この科学的なデータは、保湿剤の種類とメイク汚れの吸着量や速度に相関関係があることを示しており、洗浄性能を向上させる上での重要な要素であることを示唆しています。
新しいクレンジング料の誕生
これらの研究成果をもとに、ファンケルは新たな水性クレンジング料の評価を行った結果、高いメイク洗浄性能が確認されました。この製品は、界面活性剤を低濃度で使用しながらも、しっかりとメイクを落とせることが証明されています。
まとめと展望
ファンケルの今回の研究成果は、オイルクレンジング技術の水性クレンジング料への応用に成功したことを実現しています。研究によって明らかにされた洗浄メカニズムを基にして、今後さらなる製品開発を進め、グローバル展開に生かしていくことが期待されています。