奈良の近大里山ビオトープで絶滅危惧種保護活動を実施
近畿大学農学部が奈良キャンパスに整備した「近大里山ビオトープ」では、貴重な水生生物であるニッポンバラタナゴの保護を目的に、環境管理作業が行われます。この活動は、令和7年(2025年)11月14日(金)に、農学部の学生実習の一環として実施される予定です。
ビオトープの背景
近大里山ビオトープは、環境省から「自然共生サイト」に認定されており、生物多様性の保全が図られています。このビオトープ内のため池は、ニッポンバラタナゴの生息地とされており、その状態を保つことが特に重要です。この魚は環境省のレッドリストでも絶滅の危険性が高い「絶滅危惧ⅠA類」に分類されているため、保全活動が求められています。
水抜き作業の重要性
今回の環境管理作業では、水抜きを通じてため池の底に溜まった有機物や、外来生物の駆除作業が行われます。この手法は日本の伝統的なため池管理方法である「かいぼり」に基づいて実施され、学生たちがその実習を通じて実際に体験することが出来ます。水を抜くことにより、池の生態系の健全性を確認し、ニッポンバラタナゴの繁殖状況を把握することができます。
参加企業と協力
この活動には、近大里山ビオトープの環境保全に賛同する企業である株式会社ジェイテクトとグローブライド株式会社の社員も参加します。彼らの協力によって、実習生はより効果的な環境管理プロセスを学び、実践する機会を得ることができます。
- - 株式会社ジェイテクト(愛知県刈谷市)
- - グローブライド株式会社(東京都東久留米市)
両社は、持続可能な生態系の保全に対する理解を促進し、地域社会への貢献を目指しています。
今後の展望
水抜き作業を終えた後、くみ出した有機物は、無農薬の自然農法による稲作に活用します。これにより、農作物の質の向上を図りつつ、ビオトープ内での生態系の維持が期待されます。
今後は、このような環境保全活動を通じて、学生の実地経験を深めると同時に、地域の自然環境を次世代に繋げる取り組みを進めていく姿勢が重要です。
開催概要
- - 日時: 令和7年(2025年)11月14日(金)13:00~16:30(雨天決行)
- - 場所: 近畿大学奈良キャンパス近大里山ビオトープ(奈良県奈良市中町3327-204)
- - 参加予定者: 教授、准教授、学生30名、協力企業社員
このように、近大里山ビオトープでの保護活動は、教育機関と企業が連携し、環境保全や持続可能な社会作りに貢献する良いモデルケースとなるでしょう。