スーダンの洪水と人道危機の悪化
スーダン北東部の紅海州で発生した豪雨によるアルバアトダムの決壊が、既存の人道危機をさらに深刻化させています。国連人道問題調整事務所(OCHA)の推計によると、洪水の影響で約5万人の人々が被害を受けており、多数が行方不明です。それに加え、この災害は500日以上続いているスーダン内の武力衝突によって既に避難を余儀なくされていた人々にさらなる困難をもたらしています。
国際移住機関(IOM)のデータによると、この洪水は少なくとも30名の命を奪い、先の洪水によってスーダンの14州で13万6,000人以上が避難生活を余儀なくされていました。新たな洪水発生により、これまで避難所にいる人々の中でも約47%がすでに武力衝突から逃れてきた避難民であることが推測されています。
このような深刻な状況の中、IOMは緊急人道支援を強化すべく非常事態の対応を進めています。シェルターや生活必需品(非食糧品)、衛生キット、医療サービス、現金に基づく支援などが行われています。IOMスーダン事務所の代表、モハメド・レファート氏は「この災害の規模は驚くべきもので、生活を救うための支援が急務である」と述べ、さらなる国際的な協力を求めています。
洪水による影響で25,000以上の避難所や地域のインフラが破壊され、多くの避難民が学校や他の施設に身を寄せざるを得ない状況にあります。また、屋外で睡眠を強いられる被災者も多く、厳しい環境が彼らを苦しめています。8月だけで実施された支援では、衛生キット12,000セットや生活必需品27,900個が提供され、500張のテントが設置されたことなど、214,000人以上に支援が届けられました。
ただ、スーダンの人道的状況は依然として厳しいです。2023年4月からの武力衝突により通信網や水供給、交通網が壊滅的な状況になっており、支援物資の提供にも困難が伴います。国内で避難している人々はすでに1,070万人を超え、今後の情勢が改善されなければ、さらに多くの人々が食料不安に直面することが予想されています。
IOMは、国際社会に対しこれ以上の支援の拡充を呼びかけています。スーダンの人々は危機に次ぐ危機に直面しており、彼らにはもはや助けを待つ余裕がありません。今こそ国際的な連携が重要です。私たちの援助が運命を大きく左右する可能性を秘めています。
この人道危機の解決に向け、皆が目を向けることが求められています。