レバノンの子どもたちが直面する危機的状況をユニセフが報告

レバノンの厳しい現状

2024年10月31日、国連児童基金（ユニセフ）のキャサリン・ラッセル事務局長がレバノンの子どもたちに関する深刻な声明を発表しました。この声明は、レバノンで続く戦争がもたらす影響が子どもたちの生活を根底から変えてしまっていることを警告しています。戦争は深刻な身体的傷害だけでなく、子どもたちの心にも大きな傷を残しています。

子どもたちの死傷者数

レバノン保健省の発表によると、2023年10月以降に亡くなった子どもは166人、負傷者は少なくとも1,168人に上っています。この数字は日々増加しており、戦争の影響が毎日子どもたちに及んでいることを示しています。特に、10月4日以降は、毎日少なくとも1名の子どもが亡くなり、10名が負傷している状況です。

精神的健康への影響

ユニセフの現地調査では、多くの子どもたちが心の痛みを訴えていることがわかっています。家庭が崩壊することへの不安や、大切な人を失うことへの恐怖から、子どもたちの心理状態は非常に不安定です。具体的には、閉じこもりや他者への攻撃的な行動、集中力の欠如など、心的負担が顕著に表れています。さらに、悪夢や頭痛に悩まされ、食欲不振を訴える子どもが急増しています。

安全な学びの場の喪失

学校は子どもたちにとって、学びや遊びを通じて心を癒す重要な場所です。しかし、戦争によりその環境が奪われ、多くの子どもたちが学ぶことや遊ぶことができなくなっています。教育や安心できる場所の喪失は、子どもたちの情緒や健康に深刻な影響を及ぼします。

ユニセフの取り組み

現在、ユニセフは数千人の子どもとその保護者に対し、心理的支援を行っています。2024年9月23日からは、9,600人以上に心のケアを提供し、約1万人の子どもにコミュニティ支援を行ってきました。しかし、回復には根本的な問題、すなわち戦争の終結が必要です。子どもたちが安全に基本的なサービスを利用し、トラウマから立ち直るためには、恒久的で即時の停戦が求められています。

支援の必要性

日本ユニセフ協会は、危機にあるレバノンの子どもたちへの支援を呼びかけています。寄付金は、苦しむ子どもたちの支援に直接役立ちます。支援方法は多様で、クレジットカードや郵便局などからも申し込みが可能です。寄付は所得税や法人税に対する優遇措置を受けることができるため、ぜひ多くの方々にご参加いただきたいと思います。