立川アスレティックFC 中村充
2024-07-12 19:01:27

「16人全員で戦う」覚醒中の“コワモテ”シューター・中村充が語る立川アスレティックFCの進化と優勝への決意!

開幕5試合で7得点!覚醒中“コワモテ”パワーシューターの決意「16人全員で戦って、優勝へ」(中村充/立川アスレティックFC)|月間MVP受賞インタビュー|今こそ最高のフットサルを



2024年6月Fリーグ月間MVPに輝いたのは、立川アスレティックFCの中村充選手だ。第2節からゴールを重ね、第4節のハットトリックを含む7得点で得点ランキングは首位タイ。立川の3人キャプテンのうちの一人である中村選手の受賞インタビューをお届けする。

決勝点より先制点にこだわるストイックな姿勢



「ありがとうございます。実は、スタッフから連絡が来た時はジムにいたのですぐに見られなかったですし、まさか選ばれると思っていませんでした。でも、うれしかったです。」

そう語る中村選手の言葉からは、謙虚さと同時に強い意志が感じられる。チームが得失点差ながらも首位をキープし、個人としても得点ランキングトップを争う活躍を見せる一方で、「自分のなかでは納得できないミスがいくつかあったので、うれしいですけど、他の選手が選ばれていても『なんで俺じゃないんだ』とは思わなかったですね」と、さらなる高みを目指すストイックな姿勢を垣間見せた。

「SNSは、フォローしてくださっている方に向けて『試合があります』『勝ちました』『負けました』という報告をするために更新しています。なので、今回も応援していただいているみなさんに向けて、『MVPを取りました』と報告はしておきたいな、と。」

SNSでのコメントは「ありがとうございます」の一言。飾らないシンプルな言葉は、中村選手の性格を表すかのようである。しかし、その言葉の裏には、ファンへの感謝と、自身の活躍を通して「自分も頑張ろう」と思ってもらいたいという強い思いが込められている。

「開幕から5試合で7得点。特に印象に残っているゴールはありますか?」という質問に対しては、「北九州戦の1点目や横浜戦の1点目など、決勝点よりも先制点が大事だと思っています。チームを勢いづけるために必要ですし、いい攻撃をしていても点が入らないとリズムが崩れてしまうこともあるので。ここまでの5試合は先制点がほうが印象に残っています。」と答えた。

ゴールを重ねる理由について、中村選手は「シーズン最初の全体ミーティングで、昨シーズンの総得点81点のうち、約4分の1の23点を(新井)裕生が取っていたという話がありました。(上村)充哉も取材などで話していましたけど、1人1点取れば、15点分を埋められる。昨シーズンは僕がチームで2番目に点を取っていましたし、裕生がいない分、僕が決めるべきところで決めないと、勝てる試合を引き分けにしてしまったり、負けてしまったりすると思っています。これまで以上に点を決めるという気持ちが強いので、よりゴールに貪欲になっているのかなと思います。」と、チームへの貢献意欲を強く語った。

「自信に満ちあふれているように感じます」との言葉に対しては、「正直、得点が取れているのは、タイミングと運です。北九州戦の3点目もそうですが、いいところにボールが落ちてきたのは運とタイミングもあります。コンディションがものすごくいいわけではないですけど、しっかりと試合に向けて調整して臨めていると思います。」と、冷静に分析する。さらに、「このペースでいけば、シーズンで40点を狙えます」との問いかけには、「そうですね(笑)。このペースでいけばそうなりますが、どのチームと戦っても簡単な試合はないですし、点が取れない時期も必ずくると思います。そういう時でも、セットプレーやカウンターで、僕が点を取らなくてもチームとして点を取って勝てれば、それが一番いい。チームの勝利を目指すなかで、僕も得点で貢献できたらいいなという気持ちです。」と、チームの勝利を最優先に考えていることを強調した。

新監督サバスのもと、進化を遂げる立川アスレティックFC



今シーズンから監督が比嘉(リカルド)さんからサバスに交代し、チームは新たなステージへと進化を遂げている。

「監督が代わって、やり方も変わったと思います。チーム状態はどうですか?」との質問に対し、中村選手は「監督がサバスに代わって、やり方が違う部分も多くあります。今シーズン、チームとして良くなっているのは守備ですね。サバスからも、去年の失点数が76点であったことから『これじゃ勝てない。減らさないといけない』と強く言われています。失点に絡んではいけないという雰囲気が昨年以上に練習からある気がしていますし、その積み重ねが試合でも現れていて、失点が少ない状態でここまで戦えています。」と、具体的な変化を説明した。

さらに、「毎年のように主力が抜けている分、逆に言えば今までチャンスのなかった選手が試合に出て活躍する機会が増えています。サバスはそれぞれの選手の長所を引き出すのがうまいと思いますし、そういった面がつながって勝てているのかなと思います。」と、新監督がチームに与えた影響について語った。

サバス監督は、記者会見でも通訳をつけずに日本語で話すことでも話題になっている。

「サバスさんは記者会見でも通訳をつけないで話していますが、普段はどのようにコミュニケーションを取っているのでしょうか?」という質問に対して、中村選手は「通訳はいないですね。僕らも、試合後の取材と同じように日本語で話しています。チームが始動した時に親睦を深める機会があったのですが、日本語は話せないだろうと思って英語で話しかけたら『私は日本語ができるから、日本語でしゃべりなさい』と言われました(笑)。日本に来ているからこそ、その国の言葉で話したいという彼なりのリスペクトがあるみたいです。基本的に練習内容もボードを使って説明してくれるので、監督の言いたいことは最低限、僕らにも伝わっていると思います。」と、具体的なエピソードを交えながら説明した。

サバス監督について、中村選手は「監督と選手の立場を保ちながら、どんな選手でも平等に同じテンションで話してくれます。監督として、良くないところははっきりと伝えてくれますし、わからないことも聞けばなんでも答えてくれます。若手がアドバイスをもらっている場面も多く見受けられますし、プレーについて聞くと、試合中であっても答えてくれることがあります。」と、その指導方法について詳しく語った。

「あとは、分析に長けている監督です。練習の前に必ずミーティングをして、こういうところを狙えとか、相手はここが強いと伝えてくれます。アスレにとってもスペイン人監督は初めてのことですが、いい感じで新しい風が吹いているのかなと思います。」と、サバス監督がチームに新たな風を吹き込んでいることを強調した。

キャプテンとしてチームを牽引する責任感



今シーズンからキャプテンの一人となった中村選手は、チーム内ではどんな立ち位置なのか?

「どうでしょう(笑)。自分で言うのは難しいですが、年齢的にちょうど真ん中くらいなので、テツさん(完山徹一)、(皆本)晃さん、(檜山)昇吾くん、(酒井)遼太郎くんといった上の人たちとも普通にしゃべります。一番年下の(内海)礼斗を練習中にいじったり、(湯浅)拓斗に水をかけたりと、若手とはふざけていますね。僕は充哉みたいにリーダーシップを発揮して引っ張っていくとか、テツさんみたいに経験値があるわけでもないので、キャプテンとしては彼らのほうがやってくれている部分が多いですね。」と、自身の立ち位置について率直な感想を述べた。

「ピッチ内外でストイックに取り組まれているイメージもあります。強烈なオーラは、一見すると怖さを感じるような雰囲気もありますが……」という質問に対しては、「後輩などにも、第一印象はだいたい怖いって言われます(笑)。僕は15歳で町田アスピランチに入ったので、5、6歳上、へたしたら一回り上くらいの人たちもいました。そこでなめられたら終わりだと思っていましたし、やられたらやり返してやろうくらいの気持ちでいたので、けっこう尖っていたと思います。そこからトップに上がったところを見ている人たちからすると、怖いという印象をもつのはしょうがないかもしれません。」と、自身の過去を振り返りながら、その理由を説明した。

「金髪という部分も……」との指摘には、「そうですね(笑)。見た目もそうだと思います。立川に移籍して来た時は、裕生から『もっと練習中からうるせーやつだと思った』と言われました。試合の時はウザかったそうです(笑)。同じ時期に移籍して来た拓斗や(永田)周也にも『怖かった』と言われました。」と、自身の外見について笑いながら答えた。

日本代表への強い思い



昨年、フル代表に初選出された中村選手は、ウズベキスタン遠征にも選ばれたが、国内で行われたアルゼンチンとポルトガルとの親善試合には入ることができなかった。

「ウズベキスタンでの試合では、ミスが多かったです。守備の強度や、戦術理解度も長くいた選手と比べて低かったと思います。その後に呼ばれなかったことは悔しいですけど、ウズベキスタンでの映像を見れば、自分が結果を出していないので仕方がないな、と。僕がなにかしらのインパクトを残せれば結果も変わったと思いますし、与えられた時間のなかできっちりアピールできなかった。そこが僕に足りなかった部分だったと思います。」と、冷静に自身の課題を分析した。

今年4月に行われたアジアカップについては、「仕事のためリアルタイムで見られない時もありましたが、結果はずっと追っていましたし、映像を見られる時はチェックしていました。勝ってほしいと願っていました。勝ち上がらなければ、その先もないですから。ただ、裕生が点を取った時は素直にうれしかったですね。一緒にやっていた選手が活躍して、点を取ってくれたのはすごく刺激になりました。」と、チームメイトの活躍を喜びながらも、自身もそこに加わりたいという強い思いを語った。

「ただ、選手として悔しい気持ちも。」との言葉には、「もちろん、それはあります(苦笑)。あの場にいたかった気持ちはものすごく。ただ、いけなかったのは自分の実力なので。とにかく勝ってほしかったというのが大きいですね。」と、率直な気持ちを吐露した。

代表への思いを問われると、「代表はすごく特別です。選ばれなければ日の丸を背負うことはできないし、戦うこともできません。リーグで結果を残さなければ代表監督の目に留まることがないし、コンディションが悪くて調子を落とし続ければ選ばれない。常に高いレベルをキープしないと呼ばれない場所だと思っているので、そこに向けてやっていかないといけない部分が多くあります。」と、代表への強い思いを力強く語った。

「U-20アジアカップで優勝できなかった悔しさもありますし、僕らは借りを返さないといけないので。いつ呼ばれても、行った時にすべてを出せるように準備しています。」と、未来への強い決意を表明した。

チーム一丸となって悲願の優勝へ



「得点ランキングを見ても顕著ですが、今のFリーグは中村選手と同年代の選手が中軸を担っています。得点王争い中の浦安・本石猛裕選手とは、町田時代に一緒でしたね。」との質問に対しては、「そうですね。(伊藤)圭汰やタケ(本石猛裕)を始め、どこのチームにいても自分のストロングポイントを出せる選手が多いと思います。自分の強みを出すのがうまければそのチームにハマっていくと思いますし、当時から町田はそういう選手が多かったと思います。」と、同世代の選手の活躍について語った。

「数年前まで“黄色”だったイメージも、立川で3年目となりすっかり“青”の印象です。」との言葉には、「移籍したからには、そのチームの選手としてやるべきことをやらないといけないと思っていますし、移籍をした瞬間から僕は立川の選手として戦ってきました。なので、青のイメージのほうが強いと思ってもらえるのはうれしいです。」と、立川アスレティックFCの一員としての強い自覚を表明した。

最後に、今後の意気込みを聞くと、「個人としては、ゴールを取ってチームを勝たせること。どの試合でもゴールを狙って、1試合1点は取って、結果を残したいと思っています。チームとしては、もちろん全試合勝つつもりですけど、そんなに甘いリーグではありません。先制点を取られたり、連続失点したりした時に、どうチームを立て直すかが、大事だと思います。今シーズンの登録は16人しかいないので、本当に全員で戦わなければいけません。サバスが相手のスカウティングをして、必要な時に、必要な選手を送り出してくれているので、僕らはその指示を遂行して、やるべきことをやっていくだけです。」と、チームへの貢献意欲と勝利への強い決意を語った。

「その先に、悲願の優勝が。」との問いかけに対しては、「もちろん、優勝したいです。ただし、この取材時点で1位にいるのは、得失点差でわずかに上回っているだけ。最後はそこも重要ですが、1-0でも勝ちは勝ち。アスレとして全員が笑っていられるように、あの時こうしていればという後悔がないように。すぐに最下位も見えるリーグだと思いますし、1試合1試合、気を引き締めてやっていきます。」と、悲願の優勝に向けてチーム一丸となって戦っていくことを誓った。

立川アスレティックFCの今後の戦いに注目!



Fリーグで活躍する中村充選手。そのストイックな姿勢と熱い思い、そしてチームへの貢献意欲は、多くのファンを魅了している。立川アスレティックFCが、新監督サバスのもと、どのような進化を遂げ、悲願の優勝を掴むのか。今後の戦いに注目だ。


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