アストンマーティンの新たな挑戦
2024年7月22日、英国ゲイドンでアストンマーティンの最新ハイパーカーValkyrie AMR-LMHが、サーキットでの初走行を果たしました。このマシンは、アストンマーティンとHeart of Racingが共同で開発し、来る2025年のFIA世界耐久選手権(WEC)かつIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権への出場を目指しています。
Valkyrie AMR-LMHとは
Valkyrie AMR-LMHは、アストンマーティンのロードカーValkyrieを起源とする唯一のハイパーカーです。この新型モデルは、耐久レースの厳しい基準を満たすべく、最適化されたカーボンファイバーシャシーを採用し、最高出力1,000bhpを超えるコスワース製のV12エンジンを搭載しています。この独自の設計により、同車は耐久レースでのパフォーマンス向上を目指しています。
初のサーキット走行
今回のサーキット走行では、アストンマーティンのハイパフォーマンス・デベロップメント・ドライバーであるダレン・ターナーや、Heart of Racingのマリオ・ファーンバッハー、さらにル・マン24時間レースでの経験があるハリー・ティンクネルがドライバーを務めました。走行後、テストチームは満足のいく結果を得たと報告しています。
FIAホモロゲーションに向けた準備
アストンマーティンは今後、FIAホモロゲーション取得に向けた検証に取り組み、2025年初頭には競技シーズンのデビューを目指します。Valkyrie AMR-LMHは、ハイパーカー・クラスで初めての本格的なレーシングカーとして、WECおよびIMSAの両方に参加する計画です。これにより、アストンマーティンは耐久レースの全カテゴリに参加する唯一のメーカーとなります。
チームの意気込み
アストンマーティンの耐久モータースポーツ責任者アダム・カーター氏は、Valkyrie AMR-LMHの開発には高い基準が設けられており、その達成状況に満足していると語りました。また、Heart of Racingのチーム代表イアン・ジェームズ氏は、初走行の際の感動を表現しつつ、次の厳しい道のりを楽しみにしていると述べました。
今後の展開
アストンマーティンは北米のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権においても、Valkyrie AMR-LMHの参戦を計画しています。これにより、アストンマーティンは歴史あるル・マン24時間レースに1959年以来の総合優勝を狙う意欲を示し、長年のモータースポーツの伝統に新たなチャレンジを加えることになります。
アストンマーティンのValkyrie AMR-LMHは、耐久レースの舞台で愛される速度とデザインを兼ね備えた究極のマシンとして、モータースポーツ界に新たな旋風を巻き起こすことでしょう。