日本パッケージデザイン学生賞2024、大賞受賞の恵み
2024年の日本パッケージデザイン学生賞で、専門学校日本デザイナー学院の3年生、伊東未夢さんの作品「あ〜んニマル」が大賞に選ばれました。この賞は、公益社団法人日本パッケージデザイン協会(JPDA)が主催し、学生たちが自らの創造力を活かしてパッケージデザインに挑戦する場として、年々注目を集めています。
受賞作品「あ〜んニマル」について
伊東さんの作品「あ〜んニマル」は、環境を「かわる」と題したユニークな手拭き用パッケージデザインです。このパッケージは、飲食店での利用を考慮し、使用後の手拭きが簡単に戻せるよう工夫されています。具体的には、開封すると動物の顔が現れるデザインで、使用済みのお手拭きが机の上に散乱するのを防ぎ、視覚的にも楽しい体験を提供します。実際に、飲食店で働く方々の感染症防止のための要望を反映して、使用後に袋に戻して使うことを促しています。
このようなデザインによって、飲食店の清潔感を保ちながら、紙おしぼりを衛生的に管理することが可能になります。さらに、料理が運ばれてくるまでの待ち時間には、子どもたちが遊ぶこともできる工夫がなされています。
審査員の評価
JPDAの理事長、信藤洋二氏は、この作品の魅力を高く評価しました。「開封することで動物の顔が完成するというデザインは、可愛い動物に餌をやりたくなる心理を巧みに利用しています。デザインと社会的ニーズが融合した、大賞にふさわしい実用性を持つ作品です」と述べました。
さらに審査員の一人、ライオン株式会社の吉田馨氏は、「この作品は飲食店のスタッフたちの気持ちを考慮したもので、学生のアイデアとして評価されるべきです」と感想を述べています。また、すべての年代に受け入れられる可能性を持つデザインであることも称賛されました。
日本パッケージデザイン学生賞の紹介
この賞は、特に学生の独創性やデザイン力を発展させることを目的としており、毎年全国から多くの応募が寄せられています。2024年度は744点の応募があり、厳選な審査を経て、最終的に大賞や金賞、銀賞などが決定されました。入賞作品は「年鑑日本のパッケージデザイン2025」に収録される予定です。
JPDAは、パッケージデザインの文化の発展とその普及、啓発活動を行う団体として長年の歴史があります。デザインという形で多様な社会的ニーズに応えることが、今後ますます重要になっていくでしょう。
このような新しい試みやアイデアが、私たちの生活をより豊かにしていくことが期待されます。伊東未夢さんの作品がどのように社会に影響を与えるのか、今後も注目が集まります。