セイウチ繁殖プロジェクト
三重県伊勢市に位置する伊勢シーパラダイスは、セイウチの繁殖を目指して長年取り組んできました。この度、特に注目を集めているのが、飼育しているメスのセイウチ「タンポポ」(推定22歳、660kg)のお嫁入り計画です。タンポポは、愛知県知多郡美浜町の南知多ビーチランドに移動することが決まっており、2025年2月4日(火)に実施される予定です。
繁殖相手と新たな命の誕生
タンポポが移動する先では、オスのセイウチ「キック」(27歳、1000kg)が待っています。キックは南知多ビーチランドで飼育されている繁殖個体で、非常に大きな体を持つことが特徴です。タンポポとキックの出会いは、セイウチの繁殖にとって重要なステップとなり、一緒に新しい命を育むことにつながるでしょう。
日本におけるセイウチの状況
日本国内では、現在9つの水族館がセイウチを飼育していますが、全体で23頭(オス5頭、メス18頭)しかいません。セイウチの繁殖に成功しているのは、わずか4つの施設に限られており、国内のセイウチの輸入が難しくなっているため、各園館が協力して繁殖を進めなければならない状況です。
移動スケジュールと今後の計画
移動のスケジュールは次の通りです:
1.
移動日(2025年2月4日火曜日)
- 午前8:30:タンポポを輸送ケージに搬入
- 午前9:00:出発
- 正午頃:南知多ビーチランド到着
2.
同居開始(2025年2月5日水曜日以降)
- タンポポの健康状態を確認後、キックとの同居を開始
3.
帰郷予定
- 交尾の確認後、3月中旬に伊勢シーパラダイスに戻る予定ですが、健康状態や天候によりスケジュールが変更される可能性あり。
セイウチ繁殖への熱い想い
伊勢シーパラダイスでは、セイウチの繁殖は未来の命を残すための根幹であると考えています。技術と知見を最大限に生かし、タンポポのお嫁入りが新たな命の誕生へとつながることを強く願っています。このプロジェクトを通じて、セイウチの魅力を多くの人に伝え、命の尊さを共感してもらえるよう努力を続けていきます。
セイウチについて
セイウチは北極圏の沿岸に生息する大型の海生哺乳類で、雌雄共に長い牙を持っています。そのため、外敵から身を守る際や他のセイウチとの争いに使います。体長は3メートルを超え、体重は1トン以上になることもあります。妊娠期間は約15ヵ月で、生まれた子供は母親と共に約2年間生活します。
伊勢シーパラダイスについて
伊勢シーパラダイスは、日本初の「海獣とのゼロ距離展示」をテーマにした水族館です。
- - 所在地:三重県伊勢市二見町江580
- - 電話番号:0596-42-1760
- - 営業時間:9:30~17:00(最終入場16:30)
- - 入館料:大人2,100円、小中学生1,000円、幼児(4才以上)500円
- - 公式サイト:伊勢シーパラダイス