Bluetestとローデ・シュワルツが次世代WLANデバイスのテストを強化

次世代WLANデバイスのOTAテスト機能をインテグレーション

Bluetest社とローデ・シュワルツが、次世代の無線LAN（WLAN）デバイス向けのOTA（over-the-air）テスト機能を強化する協力関係を築いています。長年にわたるパートナーシップにより、R&S CMX500ワンボックス・シグナリング・テスタのWi-Fi 7テスト機能がBluetestのFlow制御ソフトウェアに統合されました。この革新的な動きは、IEEE 802.11be規格に対応したステーションおよびアクセスポイントのMIMO（Multiple Input Multiple Output）ストレステストを現実的な条件下で行えることを意味します。

Bluetestのリバブレーション試験システムについて

Bluetest社は、ワイヤレス機器の性能評価を効率的に行うために設計されたリバブレーション・チャンバを専門としています。リバブレーション・チャンバの特性として、電波暗室とは異なり、内部でRF信号が広範囲に反射し、リアルなマルチパスRF環境を形成します。これにより、屋内や都市部の実際のシナリオを模擬した評価が可能となり、最新のMIMOやマルチキャリアデバイスのテストに適しています。

Bluetest Flow制御ソフトウェアの役割

Bluetest Flowソフトウェアは、複雑な無線ソリューションをテストするための統合環境を提供します。このソフトウェアにR&S CMX500のWi-Fi 7テスト機能が統合されたことで、WLAN開発者は最新のデバイスを活用し、Bluetest社の技術を最大限に活かせるようになりました。

Wi-Fi 7の特性と利点

Wi-Fi 7（IEEE 802.11be）は、高速なデータ処理を実現することを目的として設計されています。これにより、毎秒数十ギガビットのデータを低遅延で扱うことができ、超高解像度ビデオストリーミングやAR・VRアプリケーションの需要に応えています。高いデータスループットを実現する要因には、拡大した320 MHzのチャネル帯域幅、最大16の空間ストリーム、4096 QAM変調、MLO（multi-link operation）などが挙げられます。

MLOを支えるテスト環境の重要性

WLANデバイスの開発には、RFトランスミッタやレシーバの特性を現実の条件下で測定する必要があります。MLOはWi-Fi 7の重要な機能であり、テスト環境では複数のRF信号チェーンが必要となります。ローデ・シュワルツのR&S CMX500は、そのニーズに応えるため、マルチテクノロジー・マルチチャネルをサポートした汎用的なシグナリング・テスタです。このテスタは、柔軟性に富み、Wi-Fi 7に特有の多様なテストに対応することができます。

パートナーシップの成果

ローデ・シュワルツのモバイル無線機テスタ担当上級副社長、Christoph Pointner氏は、Bluetest社との協力によって特別なシナジーが生まれたと述べています。「当社のテスタとBluetestの技術が統合されることで、WLANテストの可能性が広がり、最先端のワイヤレスソリューション開発に必要不可欠な環境を整備しています」とのことです。

また、Bluetest社のCEO、Kjell Olovsson氏も、今回の統合によりWLANテスト能力が向上したと強調しています。「ローデ・シュワルツとともに、Wi-Fi 7デバイスに対し、これまでにないテスト環境を提供できるようになりました」と話しています。