世界初のダイヤモンドMOSFETが新たなスイッチング能力を獲得
日本の東京に拠点を置くPower Diamond Systems, Inc.が、革新的なダイヤモンドMOSFET技術をさらに進化させ、世界初の200V/1Aスイッチング操作を実現しました。この成果は、ダイヤモンド材料による半導体デバイスの実用化に向けた重要な技術的マイルストーンとなります。
ダイヤモンド半導体の優れた特性
ダイヤモンド半導体は、広いバンドギャップ、高い絶縁破壊電場、優れた熱伝導率といった優れた材料特性を持ち、次世代の電力デバイス材料として、シリコンやシリコンカーバイド、窒化ガリウムを超える可能性が期待されています。しかし、実用化のためには高い絶縁破壊電圧と低いオン抵抗を両立させることが重要とされています。
特に、電界の集中がゲートエッジに影響を及ぼし、ドレイン-ソース間の絶縁破壊電圧を制限していました。また、デバイス評価に必要な高い電流能力とスイッチング特性を実現するためには、デバイスの有効面積を小さくし、多数の小型デバイスを並列に接続する必要がありました。
研究成果の紹介
Power Diamond Systemsは、フィールドプレート構造を導入することで、ゲートエッジにおける電界の集中を抑え、より高い絶縁破壊電圧を実現しました。同時に、デバイスの面積を増加させ、高電流操作を可能にすることに成功しました。これにより、従来のアプローチで課題とされていた多数の小型デバイスの並列接続を必要とせず、単一のダイヤモンドMOSFETで550Vの絶縁破壊電圧と0.8Aのドレイン電流を達成しました。これは、Power Diamond Systemsのデバイス設計とプロセステクノロジーの効果を示しています。
さらに、同一のデバイスを使用しての200V/1Aスイッチング操作の成功は、ダイヤモンドMOSFETにおいて世界的に初めての実績です。この達成は、ダイヤモンドパワーデバイスが静的特性評価から実用的なスイッチング操作の検証に進展したことを示しています。
安定した製造プロセスの確立
Power Diamond Systemsは、再現性の高いデバイス製造のための安定した製造プロセスも確立しました。これにより、技術の信頼性が保証され、実用化に向けた着実な進展が実現されました。今後は、日本国内外の研究機関や業界パートナーと連携しながら、技術開発と応用開発を進め、ダイヤモンド半導体デバイスの社会実装を加速させることを目指しています。
この研究は、2026年2月24日に『Applied Physics Express』に掲載されました。この成果は、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の委託プロジェクト(プロジェクト番号:JPNP14004)および文部科学省の「日本の材料とナノテクノロジーのための先進研究基盤」プログラムによって部分的に支援されています。
まとめ
ダイヤモンド半導体デバイスの未来は、より高効率でコンパクトなインバーターモジュールの実現に貢献し、エネルギー社会におけるさらなるエネルギー節約の実現に寄与することが期待されています。今後の成長に注目です。
会社概要
お問い合わせ先
Power Diamond Systems, Inc.
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