新しい時代の就職活動支援
近年、大学生の就職活動がますます厳しさを増しています。その中でも特に問題視されているのが学生の自己アピールの難しさです。学生の中には「自己PRを書く内容が少ない」と感じている人が多く、実に70%以上が不安を抱いていることが、株式会社ベネッセ i-キャリアとシェアフル株式会社が行った調査から分かりました。
こうした課題を解決するため、新卒オファーサービス「dodaキャンパス」を展開する株式会社ベネッセ i-キャリアと、人材紹介サービス「シェアフルエージェント」を提供するシェアフル株式会社が連携を始めました。この連携では、大学生がアルバイトでの実績を可視化し、企業に対して第三者評価である「就業証明書」を提供するという新しいサービスを展開します。2025年9月からこのサービスが開始される予定です。
就業証明書の重要性
「就業証明書」は、アルバイト先の企業が評価を行い、学生の実績を証明するものです。具体的には、「就業評価」や「また一緒に働きたい度」といった4項目が記載されます。これにより、企業側は応募者のリアルな就業実績を確認でき、従来の画一的なエントリーシートの限界を打破することが可能になります。
さらに、就業証明書には学生の平均値や中央値も表示されるため、他の学生との比較も容易になります。このようにアルバイト経験を基にした具体的なデータを通じて、学生が自らの強みを明確にし、企業にアピールできる機会が提供されるのです。
学生のための特別な取り組み
加えて、両社は「1日キャリア体験」を通じて、さまざまな業種の企業社長と接する機会も提供しています。この取り組みは、将来のキャリア形成に役立つ貴重な経験となるでしょう。参加学生は直接社長に触れることで、実践的な知識や人脈を得るチャンスに恵まれます。
企業側のメリット
企業側にとっても、就業証明書を活用することで、自己PRの信頼性を高めることができます。多くの企業が、「自己PR内容の信頼性を見極める必要がある」と感じており、証明書によってより具体的な評価が得られることで、採用活動の質が向上します。また、これは採用担当者にとっても、採用選考の精度を上げる重要な要因となります。
シェアフルとベネッセの取り組みの意義
株式会社ベネッセ i-キャリアの三留翔太氏は、「学生が自信を持って語れる『ガクチカ』の必要性」を強調し、就職活動をサポートする取り組みがいかに重要であるかを訴えています。また、シェアフル株式会社の横井聡氏も、学生が実務経験を得る機会を創出し、未来を担う人材が自信を持って社会に飛び立てるようにすることが自社の目標であると述べています。
このように、両社の連携は学生が自らの魅力を必要な場に伝えるための新しい武器となりました。就職活動が厳しい時代に、アルバイト経験を生かした新しい形の就活支援が、学生たちの未来を明るく照らすことを期待しています。