就活生とAIの関係:63%がエントリーシート作成に活用
最近、新卒の就職活動において、AIツールの活用が急速に広がっています。特に、エントリーシート(ES)作成においては、どのような実態があるのでしょうか。株式会社Synergy Careerが行った調査によれば、就活生の63%がAIを使用してESを作成しており、その背景や実態について詳しいデータが明らかになりました。
調査の概要
この調査は、26卒、27卒を対象に、200名の新卒大学生を対象に行われました。主にESを作成する際のAIの利用状況や、選考通過率、心配事について掘り下げています。調査結果をもとに、就活生のAI利用の傾向や意識の違いについて解説します。
1. AI利用の普及状況
調査結果では、63%の就活生がESを作成する際にAIを活用していることが分かりました。この中には「毎回利用している」と答えた割合も含まれており、特にAIツールのトップには「ChatGPT」が挙げられています。その他の目的としては、誤字脱字チェックや文法の確認、文章構成の整理など、ESをより良いものにするための利用法が主流となっています。
一方で、37%の就活生は「AIを利用したことがない」と答え、その理由として「個性が失われる」や「人事に見抜かれる不安」などが挙げられました。これは、AI活用への評価が二極化していることを示しています。
2. AIによる選考通過率の実態
AIを利用して作成したESで選考通過率が「半分以上」と答えた学生は86.5%に達し、その中でも特に「全ての選考に通過した」と答えた学生も21.4%にのぼりました。これは、AIが選考結果に寄与している可能性を示すデータです。多くの学生がAI活用を通じて、より高い選考通過率を実現していることがうかがえます。
3. AIを使うことへの不安
一方で、ES作成でAIを使用することに対し、55.5%の学生が「人事にバレると思う」と感じています。この調査結果は、学生たちがどれだけリスクを意識しているかを示しており、AI利用には慎重さが求められている現状が浮かび上がります。
4. AI利用の利点と欠点
調査によると、AIを使うことで「時間の短縮」や「1人で悩まずに済む」といったポジティブな意見が多く聞かれました。ただし、AIに依存することで「自分で考える力が弱まる」といったネガティブな印象もあるため、慎重に利用することが求められます。特に「人事に見抜かれる」との不安は根強く、AI活用が一概に良いとは言えない現状があります。
5. 結論
今回の調査からも分かるように、AIを活用することは就活生にとっての新しい常識になりつつありますが、同時にリスクも伴っています。就活生たちは、AIを賢く利用しながら自分らしい言葉を大切にし、面接時の対応力を磨いていく必要があります。AIを単なる補助ツールとして位置づけ、内省や考えを深めるための道具として使うことで、より良いES作成が可能となるでしょう。