医療法人おひさま会とTukusi AIの連携による訪問医療のDX支援の全貌
医療法人おひさま会は、Tukusi株式会社が開発したAIプラットフォーム『Tukusi AI』を導入し、在宅医療における情報処理の効率化と医療の品質向上を図っています。本記事では、その取り組みと背景、業務変革の事例などを詳しく紹介します。
背景
近年、医療現場では電子カルテやさまざまなITシステムが広がっていますが、依然としてFAXや紙媒体の情報が混在し、効率的な情報処理が難しい状況が続いています。このような課題を解決するために、Tukusi AIは医療現場で自然にAIを活用する環境を整えることを目指しています。
Dewey
医療法人おひさま会は、「伴走医療」を理念に掲げ、患者に寄り添った医療サービスを提供しています。非対面的な情報処理業務の効率化により、職員がより人間同士の関わりを重視したクリエイティブな仕事に集中できる環境を整えています。2024年12月から本格的に始まったこのDXプロジェクトは、AIを活用して業務のデジタル化を進めることを目的としています。
Tukusi AIの位置付け
おひさま会のDXを支えるTukusi AIは、情報処理とワークフローの自動化を実現する重要なプラットフォームです。各種業務は「ワークフロー層」と「AI層」で構成され、非対人的な事務作業を自動化することで、職員が対人業務に集中できるようサポートします。
業務変革の具体例
おひさま会ではすでにいくつかの業務変革が進行中です。以下にその一部を紹介します。
1.
FAX仕分け・情報抽出処理の自動化
FAXで受信した書類を自動で仕分けし、必要な情報をOCR技術とAIで抽出します。これにより、従来活用されなかった情報がクリニックにおける患者のサマリー更新に役立てられます。
2.
サマリー作成
モバイルアプリを通じて指示を入力すると、AIが過去のカルテを基に自動的にサマリーを生成します。参照情報を増やすことで、より充実したサマリーを提供できます。
3.
カルテ生成
診療内容を音声で録音し、アップロードすることで自動的にカルテが生成されます。これにより、文脈を考慮した詳細なカルテが作成されます。
4.
ガイドライン評価生成
Tukusi AIを活用して、指定したガイドラインに基づいた評価を生成します。この評価は、診療の方針決定に役立てられます。
5.
問い合わせ受付・コンタクトセンター業務の効率化
薬局や内部からの問い合わせを、ワークフローを用いて処理します。AIによる情報伝達の効率化は、今後の重要な課題となっています。
将来展望
おひさま会は、2025年末までに100の業務フローをTukusi AIのワークフローに組み込む計画を立てています。AIは職員のサポート役に過ぎず、主役はあくまで人間であるというデザインが貫かれています。医療における人とのつながりを重視する中で、AIを活用した新たな医療のかたちが模索されています。
まとめ
おひさま会は、Tukusi AIを通じて医療現場の効率化を進めることで、職員がよりクリエイティブな業務に取り組むための環境を整えています。AIと人間が共存し、理想的な医療提供が実現できる未来に向けた取り組みは、今後ますます注目されていくことでしょう。