価格競争を打破する新たな提案の教科書
近年、多くの企業が価格競争に悩まされています。特に日本市場では、原価の上昇に対して適正に価格を転嫁できず、いまだに「目に見える価値」だけで勝負する企業が多いのが現状です。しかし、世界的には消費者が「豊かな体験」や「商品の意義」に価値を見出す傾向が強まっています。つまり、今やただの機能や価格ではなく、「意味」に重きを置いた選択が求められているのです。
この背景に鋭く切り込んだのが、株式会社クロスメディア・パブリッシングから発売される新刊『目に見えない価値の伝え方』です。本書の著者は、シリコンバレー在住の起業家、今野有子氏。彼女は15年以上にわたり、ワインビジネスの最前線で活躍しながら、「人々が何を選ぶのか」という問いを追求し続けてきた経験をもとに、商品の価値を最大化するための具体的なメソッドを体系化しました。
価値判断の4つの法則とは?
本書では、「価値とは何か」「なぜ選ばれるのか」といった疑問に対する答えを、哲学や認知科学の知見を用いて解説しています。ここで紹介されるのが、「価値判断の4つの法則」です。この法則に基づき、人間の心理や価値判断の仕組みを明らかにしています。
1.
思考モード: 人間は主に2つの思考モードで判断します。ひとつは直感的な決定、もうひとつは論理的な思考です。
2.
価値判断基準: 人々は4つの基準に基づいて価値を判断します。
3.
影響因子: 顧客の判断には4つの因子が関連しています。
4.
説得要素: 3つの要素で人は説得されます。
この法則を活用し、「売らないのに選ばれる提案の技術」も解説します。具体的には、ただ自社の商品をPRするのではなく、顧客にどのような変化が起こるのかを物語として描き出すことに重きを置くアプローチです。
実践的なアプローチ
『目に見えない価値の伝え方』は理論だけにとどまらず、読者がすぐに活かせるような工夫がされています。クイズ形式でリアルな事例を使いながら考える構成や、営業トークやプレゼンテーションで活用できる具体的なスクリプトを多数収録しています。また、アリストテレスの弁論術を現代ビジネスに応用する方法も紹介されており、説得力を高める技術を学ぶことができます。
誰におすすめか
この書籍は、以下のような方に特におすすめです。価格競争に陥っているマーケティング担当者や、企業価値を上手に伝えられずに苦戦している管理職。また、自分のキャリアをアピールすることに悩んでいるビジネスパーソンにも役立つ内容となっています。
著者紹介
著者の今野有子氏は、株式会社アルムンドの代表取締役であり、自身のビジネスを通じて新たな市場と顧客体験の創出に取り組んできました。彼女は多文化的な視点を持ち、シリコンバレーを拠点にグローバルなビジネス展開を進めています。豊富な経験を持つ彼女の教えを通じて、貴方も「目に見えない価値」を伝えるスキルを磨いてみてはいかがでしょうか。
書籍情報
- - 書名: 目に見えない価値の伝え方
- - 著者: 今野有子
- - 発行日: 2025年7月18日
- - 価格: 1,870円
本書を手に取ることで、新しい価値観を自身のビジネスに取り入れるきっかけとなるでしょう。興味のある方は、ぜひ手に取ってみてください。