ホテル朝食の改革がもたらした成功
茨城県つくば市にある「つくばの湯アーバンホテル」を運営するアプリコット株式会社は、革新的なホテル朝食改革に取り組み、その成果として口コミ評価が飛躍的に向上しました。2025年4月には、以前の口コミ評価3.6点から4.5点へと上昇し、フードロスも半分に削減されました。この改革は、神奈川県中小企業診断協会登録グループ・マーケティング実践研究会との共同プロジェクトによって実現されました。
朝食評価の低さから始まった改革
同社の調査によると、旅行サイトで集まった口コミでは朝食が低評価であったことが分かりました。特に、朝食ビュッフェが見栄えしにくいとの指摘が多く、これは満足度を下げる要因となっていました。盛り付けがセルフサービス形式だったため、客によって仕上がりにばらつきがあり、全体の雰囲気を損ねてしまうことが問題でした。
三本の矢による新しい朝食体験
そこで、アプリコットは「完成度の高い定食」を目指し、セルフサービス方式を新たに設計しました。この改革は、工場のライン設計思想を取り入れたもので、ビュッフェをより魅力的で簡潔に楽しめるようにしました。具体的なポイントは以下の3点です:
1.
印象的なプレートの採用:メイン料理と副菜を見栄え良く盛り付けられるプレートを導入。
2.
彩り豊かな小鉢:各料理を美しく引き立て、選ぶ楽しさを演出。
3.
ライブキッチンの導入:シェフが出来立てを提供することで、香りや音が五感を刺激し、特別な体験を提供。
これらの取り組みにより、客は美しい盛り付けを楽しむことができ、過剰な取り分けを避けられるようになりました。結果的に、満足度の向上とフードロス削減を同時に達成しました。
数字で見る成功の証
2025年4月のリニューアル以降、口コミ評価は急上昇し、SNSや旅行サイトでの評価も高まりました。特に「盛り付けが美しい」とのコメントが増加したことが、口コミ評価の向上に貢献しました。この改革が実施された期間、朝食の売上は昨年同期比で約70%の増加を記録しました。
さらに、フードロスに関しても大幅に改善され、従来の大皿料理を廃棄することもほぼなくなりました。小鉢で必要な分だけを提供することが可能となり、ライブキッチンでは注文ごとに調理されるため、廃棄ロスも激減しました。
データに基づく朝食改革の意義
この改革は、マーケティング実践研究会の知見をもとに進められました。我々は、朝食ビュッフェよりも料理セットの方がSNSでの魅力が高いことを証明しました。この成功事例は、日本経済新聞でも取り上げられ、広く知られることとなりました。
今後の展望
アプリコット株式会社は、この成功モデルを飲食業やエンターテインメント分野にも広げる考えです。データに基づいた運営の有効性を活かし、お客様に価値を提供するだけでなく、社会課題の解決にも貢献できる事業を目指しています。2025年9月には、この取り組みが経営改革の成功事例として報告され、新たなビジネスの展開が期待されています。
会社概要
- - 社名:アプリコット株式会社
- - 所在地:茨城県つくば市研究学園5丁目12−10
- - 代表者:代表取締役社長 塚本 忍
- - 事業内容:補助金活用や経費削減コンサルティング、つくば市での宿泊サービスの運営
- - Webサイト:アプリコット株式会社公式サイト
このような取り組みにより、アプリコットはただの宿泊施設に留まらず、地域に根ざしたビジネスとしての実績を積み重ねていくことでしょう。