楳図かずお原作『妖怪伝猫目小僧』初DVD化が決定！

楳図かずお原作『妖怪伝猫目小僧』初DVD BOXの発売決定

2026年2月27日（金）、1976年に放送された楳図かずお原作のアニメ『妖怪伝猫目小僧』が初めて全24話を収録したDVD BOXとして発売されることが発表されました。この還暦を迎える作品は、作者楳図かずおが生前復刻を希望していたもので、ファンにとって特別な意味を持つリリースです。

作品の背景とコンセプト

『猫目小僧』は1967年ごろに、雑誌「少年キング」や「少年画報」に連載されていた楳図かずおの漫画が原作です。物語は、人間の女性と妖怪「ねこまた」の間に生まれた子ども、猫目小僧が主人公です。彼は、妖怪からは「できそこない」として排除され、人間からは妖怪として疎まれる孤独な存在。しかし、彼は「産みの母」の妹によって愛情深く育てられ、心優しい少年として成長します。

しかし、育ての母を失った彼は、生命の終わり際に告げられた「産みの母」の存在を求めながら全国を旅し、各地の妖怪と戦う中で人間を救っていく物語が展開されます。このテーマは、母と子の愛情を描いた深い内容を持ち、一話一話が異なる妖怪と猫目小僧の闘いを通じて教訓を含んでいます。

新しい手法「ゲキメーション」

TVアニメ『妖怪伝猫目小僧』の制作にあたっては、一般的なセル画アニメとは一線を画す「ゲキメーション」と呼ばれる新しい技法が導入されました。この手法は、絵画的な背景、キャラクターの切り絵、そして実写映像を組み合わせたもので、当時としては斬新で視覚的にも洗練された作品へと仕上げられています。このスタイルは、今なお若いクリエイターたちに影響を与え、自らをゲキメーション作家と名乗る映画監督も現れるなど、注目を浴びています。

特別なDVD BOXの内容

今回発売されるDVD BOXは、6枚組で39,600円（税込）で提供され、数量限定の特典としてはブックレットや原画を使用したポストカード5種、特製ステッカーが含まれています。特に、ソノシート『猫目小僧妖怪水まねき』に収録されていた描き下ろし漫画の再録がファンにとっての大きな魅力となるでしょう。

収録内容の充実

1990年代初めにはLR（レーザーディスク）やVHS版もリリースされていましたが、全話が収録されたDVDは今回が初めての試み。過去のファンも、新規のファンも楽しめる内容で、非常に楽しみです。

また、楳図かずおが監修した新刊シリーズ「ゾクコワイ本」にも注目が集まっています。古き良き作品が新たに現代に蘇るこの機会は、彼のファンにとって感慨深いものとなるはずです。