東急不動産ホールディングス、業務効率化に向けた革新的AI技術を開発
東急不動産ホールディングス株式会社(東京、渋谷区)が、この度自社開発したAIチャットツール「TFHD Chat」において、特許を出願しました。この技術は、社内文書データから正確に情報を抽出することを目的としています。これにより、業務の効率化を進め、顧客へのサービス向上を狙います。
DXビジョン「Digital Fusion」
当社は、2025年から2030年度の間に、累計で1000億円以上をデジタルトランスフォーメーション(DX)や新規事業に投資する計画です。この「Digital Fusion」ビジョンのもと、先進的なDXを通じて、全社の業務効率化を図る事業を進めています。
具体的には、自社特化型の生成AIチャットツールを開発しました。このツールは、業務改善だけでなく、従業員の負担軽減にも寄与しています。2023年9月からは、1,200名以上の従業員がこのツールを利用し、文章の要約やアイデア出し、情報の抽出を行ってきました。
特許出願したAI抽出技術の詳細
今回出願した「文書情報抽出システム及びプログラム」は、従来のOCR技術が抱える文書フォーマットの違いに対応していない問題を解決するものです。これにより、見積書や請求書、契約書など、さまざまな形状のビジネス文書から自動的に情報を抽出し、データ化することが可能になります。特に、この技術の特長は、データベースの項目構造を動的に分析し、文書の内容と意味的な関連性を自動判断する点にあります。
従来の技術では、文書形式が変更されるたびに設定変更が必要でしたが、この新技術はどんな帳票にも柔軟に適用可能です。また、抽出試験を通じて利用者が行った修正やフィードバックをAIが学習することで、業務ルールや判断パターンを絶えず更新し進化させます。
このようなAIの導入により、手間がかかっていた文書の情報抽出作業が大幅に自動化され、ペーパーレス化や情報の一元管理が進みます。
業務効率化の成果
導入に伴い、業務フローも大幅に改善されました。従来のOCRを用いた場合、見積書の処理に約60分かかっていたものが、AI技術を利用することで約10分に短縮されました。これにより、業務効率が大きく向上し、新たなフォーマットに即座に対応できる柔軟性も兼ね備えています。
さらに、チャットツールと「BOX」との連携開発によって、AIモデルを適切に選択・更新するシステムを構築しました。これにより、クラウドストレージに保存されたドキュメントも高精度で検索可能となり、具体的な箇所を迅速に特定できるようになりました。
東急不動産ホールディングスの今後の展望
引き続き、東急不動産ホールディングスは、「Digital Fusion」に基づくDXビジョンを実現するため、AI技術を駆使した業務改革を推進していきます。これにより、社内業務の効率化とともに、顧客に対するさらなる付加価値の向上を目指します。
今後もERGグループは、AIの活用を通じて新しい価値を創造し、業務改革を進めることで、顧客と従業員の両方にとっての満足度向上を実現することを声高に宣言しています。