鳥羽商船高専にグラスゴー市立大学長が視察
2023年8月25日、三重県鳥羽市に位置する鳥羽商船高等専門学校が、英国のグラスゴー市立大学の学長であるDr. Paul Little氏と副学長のCarla Gethin氏を迎えました。この度の訪問は、海事教育や技術の発展について意見交換を行う貴重な機会となりました。
グラスゴー市立大学の紹介
グラスゴー市立大学は、2010年に統合された3つの教育機関から成り立つ、スコットランドで最大の技術教育機関です。海事分野に加え、造船や金属、機器産業にも力を入れています。都市の特性を活かし、優れた技術者を育成している同校は、今回の訪問の目的として日本の海事教育に大きな関心を寄せていました。
海事教育に関する意見交換
訪問当日、最初に行われた議論では、鳥羽商船高専の教育課程や資格取得に関する特長が話題になりました。Josh鎌田商船学科長とLittle学長は、両国の海事教育システムの違いや教育方針について意見を交わしました。この交流を通じて、お互いの知識を深めることができました。
練習船「鳥羽丸」の見学
続いて、視察者たちは、鳥羽商船高専の練習船「鳥羽丸」を見学。船内では、齊心俊憲船長と山野武彦機関長が設備や機器について詳細に説明しました。特に、齊心船長は「学生の将来を見据えた設計・整備が評価されたことを嬉しく思う」と述べ、教育の質を誇示しました。
視察は、遠隔操船システムや自律航行システムの説明に続きました。山田智貴教授は、「日本は特に英国やフランスの技術をモデルにして海事教育を進めており、今回の視察を通じて国際的な連携を強化できることが期待されます」と語りました。これにより、未来の海事教育に対する期待が一層高まっています。
今後の協力関係に期待
訪問を終えたLittle学長は、日本の海事教育のシステムやクオリティに感銘を受け、「練習船の保有と教育機会が豊富で驚いています。特に、人材育成においては、日本企業との連携の重要性を感じました」と述べました。また、Gethin副学長も「新たな練習船を見学でき、多くの学びがありました。この訪問が、両国の持続可能な協力関係の第一歩となることを期待しています」と話しました。
最後に、鎌田商船学科長は「このような国際的な視察を通じて、海事教育におけるさまざまなアプローチを学び、今後の教育改善に活かしていきたい」と意欲を見せました。
この訪問は、日本と国外の教育機関がどのように連携し合い、未来の海事業界を牽引していくのかという期待感を育む素晴らしい機会となりました。鳥羽商船高専は、今後も国際交流を積極的に行い、次世代の海事技術者を育成していくことでしょう。このような取り組みが、国際的な技術水準の向上や新たな技術の開発に寄与することを期待しています。