京都フュージョニアリング、93.8億円の資金調達に成功
京都フュージョニアリング株式会社は、最新のシリーズCラウンドを終え、エクステンションを通じて総額93.8億円の資金を確保しました。この資金調達は、フュージョンエネルギープラントのエンジニアリングを行う同社にとって、今後の発展に大きく寄与すると期待されています。
特に、京セラベンチャー・イノベーションファンドや株式会社JERA、三井住友信託銀行などが引受先として参加し、合計14.5億円のエクイティファイナンスを実施しました。これにより、これまでのシリーズCラウンドでの資金調達額は合計40.8億円に達しました。また、デットファイナンスを通じて、他の金融機関から53億円を調達し、トータルで93.8億円を確保したことになります。この資金は、技術開発やプロジェクト推進に大いに役立てられる予定です。
フュージョンエネルギー開発の進展
フュージョンエネルギーの実現に向けた動きが加速している中、2023年4月には初の『フュージョンエネルギー・イノベーション戦略』が策定され、2030年代までに発電の実証を行うことが明記されました。この政府の動きに応じて、京都フュージョニアリングがプロジェクトリーダーとして進めている『FASTプロジェクト』が注目を集めています。このプロジェクトでは、民間主導で産学連携を強化し、商業化に向けた具体的な試験を進めています。
京都フュージョニアリングの取り組み
我が社は、フュージョンエネルギーの商業化を目指し、技術の統合を進めています。現在、液体金属ループを使用した発電技術の実証が進んでおり、特に「UNITY-1」と「UNITY-2」と呼ばれる試験施設の建設が進行中です。
「UNITY-1」は、フュージョン熱サイクルシステムの実證試験を行っており、世界で初めての模擬プラントでの実証を目指しています。また、「UNITY-2」は、2026年にカナダでの燃料循環システム統合実証を予定しています。これにより、フュージョンエネルギーの実用化が一歩前進することになります。
国内外のサポート
国際的にも、アメリカやイギリス、中国がそれぞれ2030年代から40年代の実証に向けて動いており、日本もこの波に乗るべく産学官連携を強化しています。自民党のフュージョンエネルギープロジェクトチームによる提言も、民間の技術開発を後押しする重要な要素となっています。
企業や研究機関との連携も一層重要になってきています。世界での競争が激化する中、京都フュージョニアリングは国内外のパートナーシップを強化し、フュージョンエネルギーの未来を切り開くために取り組んでまいります。
代表取締役小西哲之のコメント
資金調達を成功させたことにより、フュージョンエネルギーの早期実現に向けてさらなるステップを踏むことができると信じています。国家戦略に基づき、当社が持つ知見とネットワークを活用して、技術の統合試験を成功させることに注力し、事業を推進していきます。投資家の皆様との関係も大切にしながら、持続可能なエネルギーの未来を築いていく所存です。
我が社の技術とビジョンに共感いただける方々とともに、新しいエネルギーの時代を切り拓いていきたいと考えております。これからもご期待ください。