銀座・和光で体感する1300年の美技「泥染め」展
銀座に位置する和光は、10月3日から30日まで「T.T Amami Oshima Mud Dyed Collection」を開催します。この展示は、奄美大島に1300年前から受け継がれてきた伝統的な染色技法「泥染め」に焦点を当てています。地階アーツアンドカルチャーでは、現代のデザイナーや職人と共に、日本古来の美意識と技術を融合させた新たなブランド発信を目指しています。
「泥染め」の魅力
泥染めは、奄美大島特有の天然染色技法で、独特の黒色と光沢を生み出します。この技法では、150万年前の古代層から取れる泥や特有の樹木・車輪梅のタンニン酸が用いられます。熟練の職人たちによって引き継がれるこの技法は、複雑な手作業を経て色味が完成します。興味深いことに、これは世界中で奄美大島にしか存在しない染色技法です。
今回の展示では、和光限定のシャツやジャケット、ボトムスをはじめ、特品やヴィンテージアイテムも併せて販売される予定です。これにより、訪れる人々は泥染めの文化とその深い歴史を感じ取ることができるでしょう。
T.Tのブランド哲学
T.Tは、ニューヨークと京都に拠点を持つブランドで、創業者の髙橋大雅は、歴史を見つめながら未来を見据えた衣服づくりを行っています。彼の作品には、過去の遺物を利用しながら新たな解釈を加えるという哲学が根付いています。また、日本が誇る職人技の継承にも注力しており、煮汁で染められた生地を泥に浸す技法を重視し、ものづくりに活かしています。
アーツアンドカルチャーの役割
和光のアーツアンドカルチャーは、物品の背景にある物語を伝える拠点として、文化と人々の交流の場を提供しています。ここでは、伝統や技術、自然との関わりによって生まれる日本の美意識を発信することを目的としており、定期的に美術展を行っています。
このように、和光は時の流れを感じつつ、未来へ続く文化の継承を担っているのです。今展は、衣服だけでなく、背後にあるストーリーを知る良い機会です。1300年という長い年月を経て受け継がれてきた技術や文化を、ぜひこの機会に体感してみてください。