国立大学法人岡山大学では、国産の手術支援用ロボット「hinotori™」を使用した初の消化器がん手術が成功を収めました。この取り組みは、岡山県内唯一の試みであり、消化器がんに対する手術として実施されました。手術を行ったのは、岡山大学学術研究院医歯薬学域に所属する藤原俊義教授と黒田新士准教授の手術チームです。
こちらの手術は、シスメックス株式会社との共同研究として行われ、安全性と有用性の検証を目的としています。hinotori™は、世界的に有名な米国産ロボット「ダヴィンチ」と基本的に似ており、日本の外科医や医療現場に特化した開発が進められています。これにより、患者の体の負担が軽減され、手術後の回復もスムーズになることが期待されています。
hinotori™は特に遠隔手術に向けた機能開発が進められており、地域医療を支援する新たな技術としての可能性が広がっています。岡山大学病院は、地域に根ざした中核病院として、質の高い外科医療を提供することに全力を尽くしています。これは、都会と地域を問わず、多くの患者に恩恵をもたらすでしょう。
黒田准教授は、hinotori™の名の由来についても触れています。このロボットの名前は、手塚治虫の代表作「火の鳥」にちなんでおり、再生や命の大切さという理念を象徴しています。開発者の「人々の命を救うロボットに育ってほしい」という願いという思いが込められているそうです。
今後も岡山大学は、さらなる研究や開発を進め、日本国内だけでなく国際的に多くの人々の命を救うためのロボット技術の普及を目指しています。
岡山大学でのhinotori™を用いた手術は、2025年10月上旬に実施され、その成功が確認されました。この新たな医療技術の導入により、地域医療の質が向上し、将来的には多くの患者がこの手術の恩恵を受けることが期待されています。岡山大学は、ますます進化する医療技術の発展を通じて、地域社会への貢献を続けていくでしょう。