東京・足立区の給食が美味しい理由と人気献立レシピの紹介
東京都の最北端に位置する足立区。この地域には約70万人が住んでおり、都心の利便性と自然が調和した独自の環境があります。最近、特に注目を集めているのが、足立区の小・中学校で提供される「おいしい給食」です。2024年12月13日には、その魅力を凝縮した『東京・足立区のおいしい給食レシピ』が出版されることが決定し、今から多くの方々の期待を集めています。
足立区の給食が選ばれる理由
足立区では、2007年から「おいしい給食」プロジェクトがスタートしました。その背景には、給食の残菜問題がありました。当時は東京都内で給食の残菜が生ごみの多くを占めており、環境問題の観点からも解決が求められていました。教育委員会は、この問題を解消するために、全ての学校で一貫して美味しく栄養バランスの取れた給食を提供することを目指しました。
2008年当初は11.5%だった残菜率は、2023年度には3.5%まで減少。子どもたちの97%が「給食がおいしい」と回答しており、実際にその効果が見えてきています。このプロジェクトは、栄養士や調理担当者だけでなく、教師たちも積極的に関わり、給食の質向上に努めてきた結果、地域全体が連携し取り組んできた成果でもあるのです。
手作りにこだわる給食
足立区の給食が美味しい理由は、主に4つにまとめることができます。まず第一に、「できたての味」を提供していること。各学校には給食室があり、朝から出汁をとり、すべて手作りで調理されています。加工食品は使わず、旬の地元食材を活かすことで、安心かつ栄養満点の給食が提供されます。
次に、食材選びにも強いこだわりがあります。安全で新鮮な地のものを優先し、子どもたちが喜ぶメニューを考慮しています。若者に人気をテーマにした献立や、野菜がたっぷり使われる工夫も、食材の美味しさを引き立てています。また、衛生面にも厳重に配慮し、調理環境が常に清潔に保たれています。
人気の献立集
『東京・足立区のおいしい給食レシピ』では、現役の学生から卒業生までの意見を取り入れた、選りすぐりの献立が紹介されています。具体的には、現役小・中学生が選ぶ人気メニューのベスト10や、懐かしの給食献立、また野菜を惜しみなく使ったメニューなど、バラエティ豊かな構成が魅力です。
特に注目すべきは、足立区の味として定着した「えびクリームライス」などの大人気メニュー。栄養士たちが推奨する献立には、野菜嫌いの子どもも克服できる「子どもが残さず食べてくれる」工夫が施されています。数々のメニューのエネルギー量や塩分量も客観的に記載されており、健康面にも配慮されています。
幅広い世代に役立つ一冊
このレシピ本は、子どもから高校生、大人までを対象に、家庭で実践できるメニューが多数収録されています。新しい試みとして、栄養の項目をわかりやすく12角形のグラフにして示し、簡単に栄養バランスを確認できる工夫もあるのです。この本は、未来の世代が美味しさの中に感謝の心を学べるきっかけとなるでしょう。
書誌情報
本書『東京・足立区のおいしい給食レシピ』は、足立区教育委員会おいしい給食担当課が手掛け、主婦の友社から発売されます。定価は1700円(税込)、B5判・96ページで、Amazonや楽天ブックスにて予約受付中です。電子書籍版も同時発売予定とのこと。子どもたちの心と体を豊かにするためのこの取り組みがさらなる評価を受けることを期待しています。